ホテル小樽・ニセコ・積丹旅館海鮮神恵内

オフシーズンのツウな旅。「豪華すぎる料理と西積丹の絶景」が楽しめる宿でゆったり

2023.10.09

積丹半島の西南に位置する神恵内（かもえない）は、明治時代から漁業を中心に発展してきました。人を寄せつけない奇岩が連なる海岸と豊かな海は、多くの恵みをもたらしてくれます。

「SPR網城荘」は料理がおいしいと評判のお宿です。ゆっくりと過ごしたいのなら、観光客が過ぎ去った秋がベスト。旬の魚をいただきに出かけました。

ご主人のお姉さんの宿がルーツ「SPR綱城荘」

神恵内は、道内で2番目に人口が少ない村です。2020年の高齢化率は51.50％。人口約750人の半分以上が高齢者です。原子力発電所がある泊村に隣接し、近年では原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に向けた文献調査が進んでいます。

「SPR網城荘」はご主人のお姉さんが経営していた旅館がルーツです。

「私は1970年代に狸小路4丁目で喫茶店を経営していました。そのころは『スペースインベーダー』が大ブームで、コーヒーよりもゲームで儲けさせてもらいました」と、当時を振り返ります。その後、旅館を引き継いで鉄筋3階建ての「網城荘」をオープンしました。

1984年に泊発電所1号機の建設が始まり、工事関係者を受け入れるなど“発電所の宿”としての歴史をたどった「網城荘」ですが、3号機の完成やご主人の体力的な問題もあり、廃業を検討していました。

その話を耳にした関西で医療システムやコンサルタントを行う「株式会社シスブレイン」社長であり、甥の高橋賀朗さんが旅館経営に名乗りを上げ、2015年に「SPR網城荘」としてリニューアルしました。

新生「SPR網城荘」の特徴は、旅行客だけでなくビジネスユースにも対応していることです。宴会場だった3階が改装され、コワーキングスペースが設けられました。コピー機やWi-Fiなど、テレワークに必要なものはすべて揃っています。場所を選ばず仕事ができるIT関係者が滞在することも多いそう。

公式ホームページには、「ご家族は海水浴…お父さんはコワーキングスペースで仕事。昼間はたっぷりと積丹を満喫して夜は静かに仕事に集中」や、「網城荘には仕事に集中できる環境と気分転換ができる環境の両方があります」と書かれていますが、筆者などは環境が良すぎてすぐにでも遊びに出かけてしまいそうです。

客室は全室和室ですが、なかには畳にベッドを組み合わせた和洋折衷の部屋も用意されています。ベッドは柔らかくて寝心地は最高。国道に面していますが、通る車は少なく、静かな夜を過ごすことができます。

敷地内にはフィンランド式サウナもあります。フィンランドは北海道と同様、長く厳しい冬と日照時間が短い気候条件で、冷えた体を温めて疲労をサウナで解消します。低温多湿のウェットサウナが主流で、体の芯からじっくりと温めることができます。

体が冷えるツーリングや釣り、海水浴の後などに利用すれば、天国にいる気分になること間違いありません。

食事は1階の居酒屋「共盛丸」でいただきます。予約時に「けっこう豪華ですよ」と言われましたが、けっこうどころか最高レベルです。

漁師の家庭で育ったご主人にとって、魚の扱いはお手のもの。自分の船を持っていて、自ら釣り上げた魚も提供しています。この日のヒラメは神恵内沖で釣り上げたそうです。

アワビは、秋から冬にかけて旬を迎えます。バター味の鍋に2つのアワビが入る贅沢さ。とても柔らかく、食べた瞬間に目がクリンとなりました。

ウニのシーズンが終わり、秋の味覚のイクラが登場しました。一番おいしい食べ方は白米にインすること。ほどよい塩味とプチプチ弾ける食感が至福の時を連れてきます。どの料理もおいしすぎて、ご飯をおかわりしました。

朝食にも大きなタラコが付いていて食べ応え十分。この内容で1泊2食付き1万2千円（取材時）はリーズナブル。すっかり胃袋を掴まれました。

オフシーズンの神恵内は、おいしい料理と静けさが待っています。1人で、家族と、友達と、ゆっくり時間を過ごしてください。

＜施設情報＞
■SPR網城荘（つなきそう）
■住所：北海道古宇郡神恵内村大字神恵内村83-29
■電話番号：090-9053-2455
⇒ホームページなど詳細はこちら

【画像】 SPR網城荘

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