せっかく来たのにもったいない?水族館の本当の楽しみ方とは【飼育員さんと巡るサンピアザ水族館】
新札幌にある「サンピアザ水族館」は、2022年に開館40周年を迎えました。
1階に『回遊水槽』や『タッチングプール』、2階には『熱帯魚水槽』や『アマゾン水槽』などがあり、海水魚・淡水魚、コツメカワウソやペンギンなど約200種・約1万匹を飼育しています。
飼育員の根上悠花さんに楽しみ方をうかがいました。
「副都心・新札幌」のシンボルとしてオープンした「サンピアザ水族館」
「サンピアザ水族館」は、1982年に海のない札幌唯一の水族館としてオープンしました。同年の3月に地下鉄東西線白石駅ー新さっぽろ駅間が開業。6月には「プランタン新さっぽろ(現在、イオンカテプリ新さっぽろ)」もオープンしています。
「サンピアザ水族館」の開園は“副都心・新札幌”を象徴する出来事だったといえるでしょう。
「生き物のすばらしさを伝えたい」飼育員に憧れる
小学生のころ、千葉県にある「鴨川シーワールド」でイルカやシャチのショーを見たことが将来を決定づけたという根上さん。
「最初はイルカのトレーナーになりたいと思っていましたが、次第に生き物すべての魅力を紹介したいと思うようになりました」
飼育員を目指して大学の海洋学部に入学。海の環境や海洋生物について学びました。水族館の求人は数に限りがあるため、自ら電話をして確認するなど、夢をかなえる努力を行っていたといいます。タイミングよく「サンピアザ水族館」の募集を知り、2年前に採用を掴み取りました。
小さな水族館だから好きなことができる
根上さんの一日のスケジュールは、エサの用意と水槽や展示室の清掃が大半を占めています。そのほか来館者の対応や企画の用意など盛りだくさん。それでも「小規模でさまざまなことを担当させてもらえますし、親しみある地元の水族館で働くことができて嬉しい」とのこと。
「サンピアザ水族館」は、ほかの水族館に比べると小規模で、ショーなども実施していません。「駆け足だとあっという間に見終わってしまいますが、時間をかけて観察してもらうことで、生き物のすばらしさや面白さが伝わります」と根上さんは言います。
根上さんに、館内を案内してもらいました。
アザラシの「すず」ちゃんと遊ぼう
「サンピアザ水族館」では、ゴマフアザラシを飼育しています。根上さんが近づくと『すず』ちゃん(メス・4歳)が近寄ってきました。水槽の中からじっとこちらを見つめています。頭を横や縦に振るのは、遊んでほしいときのサイン。
「水槽に手を当てて動かすと、“すず”も手の動きに合わせて顔を動かして遊びますよ」と、根上さんも嬉しそう。最近では心が通い合っていると実感するそうです。
QRコードで魚たちの貴重な瞬間を見よう!
ヒトヅラハリセンボンは、根上さん一番のお気に入り。上から見たときの模様が人の顔のように見えることからその名が付きました。「バックヤードでエサを与えようとするときに、口をパクパクさせて水を吹く姿がかわいい」と言います。
館内の随所にあるイラストなどは、根上さんのお手製。よく特徴を捉えており、とてもかわいらしいです。
QRコードを読み込むと、魚たちのおもしろい瞬間を見ることができます。ヒトヅラハリセンボンのQRコードを開くと、まん丸に膨れた姿が現れました。
魚と一緒に写真を撮ろう
ユニークな写真を撮りたいのなら、こんな写真はいかがですか? 『回遊水槽』の前の『円柱水槽』では、魚と一緒に写真を撮ることができます。
飼育員は一匹一匹の魚に愛情を注いでいる
館内で一番大きな『回遊水槽』には、飼育員総出でバケツで水を運んでいます。「けっこうな重労働で、終わった後はヘトヘト。腕はパンパン」と根上さん。
すべての生き物に愛情をこめて飼育しているので、魚や動物の死がとてもつらいそう。もし元気がない魚を見つけたら、すぐに飼育員さんに伝えてあげてくださいね。
足を止めて魚や動物の行動に注目してほしい
動物園や水族館をめぐっていると「カワウソがいた!」「ペンギンがいた!」などの声が聞こえてきますが、むしろいない方が一大事。すぐさま捜索を開始しなくてはなりません。
根上さんは「水槽の前に足を止めて、魚や動物の行動に注目してほしい」といいます。例えばコツメカワウソが寝ているようならば、少し時間をおくと走り回っている姿を見ることができます。駆け足で通り過ぎてしまうのではなく、生き物たちのいきいきとした瞬間を見てください。
「サンピアザ水族館」では、お客さんを楽しませるためにさまざまな企画展示を実施しています。金魚など定番の人気展示だけでなく、食をテーマにした攻めた企画など、新しいことに挑戦しています。あっと言わせる仕掛けでお客さんを惹きつける「サンピアザ水族館」。これからも目が離せませんよ。
<スポット情報>
■サンピアザ水族館
■所在地:北海道札幌市厚別区厚別中央2-5-7-5
■電話番号:011-890-2455
⇒割引券もあるホームページや営業時間など詳細はこちらから
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