ラーメン北海道Likers POST 札幌札幌ラーメン札幌市

知らなかった？わくわくさせる札幌ラーメンSTORY！

2021.11.26

こんにちは。西山製麺のめん助です！前回は日本のラーメンの歴史について御紹介しましたが、今回は、いよいよ札幌ラーメンの歴史についてお話します。

それでは　スタート！

戦後の札幌ラーメン

札幌はラーメンの街と言われています。現在、札幌市内にあるラーメン店の数は800～1000軒あるようです。世界中に『SAPPORO STYLE RAMEN』という名前が店舗のメニューよりSNSのハッシュタグ（＃）まで使用されています。北海道にラーメンが伝わったのは函館からのようです。当時のラーメンは中国料理を基本にした麺料理です。札幌でも多くの中国の方が住んでおり麺料理の１つとして食べる事ができたようです。これらの麺料理は戦前まで『中華そば』『支那そば』『南京そば』等と呼ばれていました。

その後、戦争が始まり札幌に住む多くの中国の方は母国へと帰り、そして終戦を迎え戦地から帰国した兵士が仕事を求めて札幌に住み始めました。料理ができる者は屋台（居酒屋）を開きました。地元で手に入れた食材を焼いたり、煮たりし、お酒と一緒に提供しました。当然、お酒を販売する為、お客様同士の喧嘩も絶えなかったようです。その中で行列ができた人気の屋台が登場しました。その店のメニューにお酒なく、当然、お客様同士の喧嘩もありません。『だるま軒』です。行列の先にあるメニューは、もちろん『ラーメン』です。屋台や食堂の店主達も足を運び『ラーメン』の調理方法を学びました。こうしてラーメン専門店が徐々に増えて行きました。

西山ラーメンの誕生

札幌がラーメン店で賑わうようになったのは、終戦直後の昭和21年から22年頃にラーメンの屋台ができたことが始まりです。当時、ラーメン屋台の人気店『だるま軒』を営んでいた西山仙治は、従弟の西山孝之を呼び、多くのラーメン屋台に麺の販売を開始しました。

出典: 西山製麵SNS

その後、製麺部門を担当になった西山孝之は自家用のほかに、他ラーメン店からの要望に応え業務用麺の注文拡大の影響で、昭和28年に業務用生ラーメンと皮類製造の西山製麺所（のちの西山製麺株式会社）を開業しました。同時期、札幌ラーメンは中国の麺料理から札幌の気候風土に適した進化が始まりました。『龍鳳』は弱火でじっくり煮込んだ濃厚な透明なガラスープ、『味の三平』はフライパンで野菜を炒めて炎と香りを見せる調理スタイル、そして、新しい味『味噌ラーメン』を生み出しました。西山製麺は『熟成麺』『ちぢれ麺』『卵麺』等の味や機能性に富んだ麺を生み出しました。

出典: 西山製麵SNS

黄色のラーメン、ちぢれたラーメンが誕生

ここで『ちぢれ麺』『卵麺』の誕生のエピソードを少しお話します。当時、ラーメンに使用する小麦粉は種類が少なく、小麦粉の皮に近い成分が多く混ざっており、ラーメンの原料のかん水と化学反応し、時間が経過するとフスマと呼ばれる斑点（小麦の皮など）や茶黒ずんだ色の見た目が良くない麺でした。見た目が良くない麺の色から、西山孝之（西山製麺の創業者）と大宮守人さん（味の三平の創業者）との間で以下の会話があったそうです。

「うどんは白色、蕎麦は藪色、ラーメンも何か食欲がそそる色にすることは　できないだろうか」
「黄色はどうだろうか」
「1年中　入手がしやすく　価格も手ごろな食材」
「卵はどうだろう」

この言葉から『卵ラーメン』が生まれました。つまり、ラーメンを黄色にするために使った食材が卵だったことから生まれたのが『卵ラーメン』と同時に『黄色ラーメン』が誕生しました。更に、黄色い卵ラーメンと同じ時に誕生したのが『ちぢれ麺』です。冬の北海道の厳しい寒さの中、一日中、力仕事をしていた労働者は夜にラーメンを食べる時に、手に力が入らず箸で麺を上手に持てなかったみたいです。その為、箸から滑り落ちないように、スープが麺に残りやすいように麺の形を改良しました。ちぢれ麺は札幌の気候風土にピッタリの形でした。

出典: 西山製麵SNS

卵入りの黄色いちぢれ麺は、卵のタンパク質が熱で固まる事からスープの中でも麺が伸び難く、食べると滑らかで口当たりも良く、栄養価も高く、疲れた体には最適です。そして、ちぢれた形は幼い子供から、高齢者まで箸から麺が滑り落ちずに上手に食べる事ができる麺です。丁度、この時期に本州の百貨店で開催されていた北海道物産展で『さっぽろ味噌ラーメン』が登場、同時期の人気雑誌『くらしの手帳』にも『札幌はラーメンの街』として紹介され『ご当地ラーメン』と言う言葉も誕生しました。それらの追い風を受けて全国各地から観光客が『札幌ラーメン』を食べに北海道を訪れ、更に多くのファンを魅了し札幌ラーメンの名は日本全国へと広がりました。

札幌ラーメンが誕生した時の思いは、今でもラーメン職人達に引き継がれ進化を続けています。

楽しみですね！

詳しくは：https://ja-jp.facebook.com/nishiyama.ramen/posts/1433417646994105