かなり過酷…だけど楽しい!北海道の大学生が語る「住み込み農作業バイト」体験
まだまだ暑い日が続く北海道。北海道の小中学生は新学期を迎える一方で、大学生は夏休み真っただ中です。
もしかすると、長い夏休みの過ごし方に困る大学生も多いかもしれません。
そこで今回は、そんな大学生におすすめしたい北海道ならではのアルバイトをご紹介します。
長期休みにおすすめ!住み込みで働く「かぼちゃバイト」
今回ご紹介する農作業バイトは“かぼちゃバイト”です。これは、かぼちゃの収穫時期である夏に、所有者から委託された畑のかぼちゃを収穫するアルバイトです。
筆者は2年前の8月に7日間、帯広市のお隣、芽室町に住み込みでかぼちゃバイトをしに行ってきました。ここからは筆者の体験をご紹介します。
どうして参加することに?かぼちゃバイト参加者の理由あれこれ
かぼちゃバイトは決してメジャーなアルバイトではありません。大々的にアルバイト募集を行っていないのが理由だと思われます。実際、筆者がこのアルバイトを知ったきっかけは高校時代の先輩の紹介でした。
では、どうしてかぼちゃバイトに参加したのでしょうか。参加者の大学生何人かに聞いてみました。
参加の理由として最も多かったのは“短期間で稼げる”ことです。筆者も1日8時間労働、時給1,500円(事業者や年によって条件は異なります)という条件に魅力を感じ、参加を決めました。稼いだお金の使い道はロードバイクの購入、旅行、貯金など、参加者によってさまざまでした。
なかには、ただ夏休みが暇だったからという理由で約30日間参加している猛者もいました。
早起き、肉体労働、猛暑!過酷すぎるかぼちゃバイトの一日
かぼちゃバイトはとてつもなく過酷です。朝は毎日6時頃に起床し、6時半には宿舎の前に集合します。そこからワゴン車に乗って、その日作業を行う畑へと移動したのち、長靴やゴム手袋などの装備を身に着け、いざ作業開始。
作業内容はとてもシンプルです。作業員はベルトコンベア付きのトラクターの前に横一列に並び、トラクターが前進するのに合わせて歩きます。自分の目の前にかぼちゃを見つけると、持っている大きめのハサミで茎を切り取り、収穫したかぼちゃをベルトコンベアに乗せます。
前かがみの姿勢で片道数百メートルもある広大な畑を何度も折り返すうちに、しだいに腰に痛みを感じるように。また、2~3秒に1個のペースでかぼちゃの太い茎を切り取るため、腕に力が入らなくなってきます……。
加えて、30度を超える暑さも厄介。全身から流れ出る汗とかぼちゃの汁、畑の泥が混じり合い、体が重く感じてきます。
想像するだけでも大変さが伝わると思いますが、実際はその何倍も過酷です。当初予定していた滞在日数を大幅に減らし、途中でリタイアしてしまう参加者も何人かいたほどです。
それでもやってよかった!絶対に伝えたいかぼちゃバイトの魅力
ここまでかぼちゃバイトの過酷さを紹介しましたが、筆者はこのバイトに参加したことを後悔していません。むしろ、参加してよかったと思っています。
そう思える魅力は大きく2つあります。
1つ目は北海道の広大な土地で作業することによって、生を実感できることです。見渡す限り畑しかない景色のなか、土のにおいやそよ風、澄み渡った青空。作業終わりには、地平線に夕日が沈んでいく様子をぼーっと眺め、一日の終わりを感じます。こういった本物の自然を感じる経験はそうできるものではありません。
2つ目は北海道の農業に貢献しているという自負です。人間が何人も入ってしまうような鉄製の大きなかごのなかに、自分たちが収穫したかぼちゃが入っている光景を見ると、北海道の巨大な食料供給の一端を担えたという満足感や達成感を味わうことができます。こうした感情は言葉では形容しがたいほど格別です。
筆者は過酷さのなかに、楽しさややりがいを見いだし、充実した7日間を送ることができました。ただ、もう一度参加したいかと言われれば正直、考えものですが(笑)
時間と体力に余裕がある方は、唯一無二の経験を求めて“農作業バイト”を探してみてはいかがでしょうか。