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ファンだったお店の味を受け継いだ！「パワフルな女性オーナーと母」が営むラーメン店

2023.08.11

コロナ禍に加え、不況や物価の上昇が続いている近年。さまざまな事情で、次世代へ承継しながら営業を続けるお店は減ってきました。

それでも「おいしい味を残したい」「この味を多くの方に知ってもらいたい」と、お店の味を継いだ方がいます。

ラーメンのまち・旭川で味噌ラーメンが人気の「ラーメン工房味の番番本店」。オーナー・下田リオさんと、下田さんからお店を託されたお母さん・石川眞理さんにお話を聞きました。

幼いころから大ファン！「番番」の主人に声をかけられたのがきっかけ

オーナーの下田リオさんは、「ラーメン工房味の番番本店（以下、番番）」の3代目。31年もの歴史ある老舗店を継ぎました。

下田さんは幼いころから「番番」のファンで、お店によく足を運んでいたのだとか。結婚してからもご主人と通っていたそうです。

ある日のこと、2代目オーナーから「お店を引き継がないか？」とご主人が声をかけられましたが、ご主人は新しく自分のお店をオープンしたばかり。リオさんはそれまで看護師でしたが、「番番」の味を継ぐ人がいないことを知り、「この味をしっかり引き継ぎたい」と、リオさん自身が引き受けることを決断しました。

「先代の味をしっかりと引き継ごうと思い、日々精進しました。先代が“自分の味と変わらない、同じだ！”と言ってくださったときは、嬉しかったですね」と下田さん。

2021年1月4日、旭川市春光の「番番」は下田さんによって再スタートを切りました。

代替わりする前には、『道新スポーツ第1回ラーメン大賞』で受賞した「番番」。下田さんが引き継いでからも、地元フリーペーパーの『旭川ラーメングランプリ2022』（みそ部門）で受賞しました。そして春光本店をオープンした年には、旭川市内の繁華街『3・6街』でもお店をオープン。

「旭川市民はもちろん、観光客の方々にもこのおいしさを知っていただきたいと思っています」と下田さんは言います。

「旭川ラーメンといえば醤油ラーメン。札幌は味噌。函館は塩」と言われることが多いですが、それぞれの町に、それぞれの味わいのおいしいお店があります。旭川市内にも、味噌がイチオシでおいしいお店がたくさんあり、ファンも多いのです。

「番番」は、味噌がイチオシ！　赤味噌、黒味噌、合せ味噌と3種類あり、赤味噌は辛さを選べるのも人気のポイント。

こちらは、『赤味噌ラーメン』。辛いのが少し苦手な筆者は、辛みを足さずに注文しました。

甘さとほんのりとした辛さのあるスープが麺に絡んで、おいしい！　コクのあるスープは“完つゆ”してしまうほどです。男性の人気ナンバーワンなのだとか。

こちらは『合せ味噌ラーメン』。数種類の自家製味噌を合わせた辛みの少ないマイルドな味わいは、女性に人気！　優しい味噌味と、複雑に絡み合った奥深い味わいが後を引きます。

ちなみに『黒味噌ラーメン』は、お店を守る下田さんのお母さん、石川さんのおすすめ。生薬入りでクセになる味わいとのこと。筆者も大変気になりました。

下田さんはさらにやりたいことを見つけ、「味の番番さんろく店」のほかにも、ご主人と共にエステサロン「BODY MAKE」や「焼き鳥酒場とりごや」と多くのお店を経営。万事を巧みに回す社長になりました。

「ラーメン工房味の番番本店」は、下田さんのお母さんである石川さんがすべてを任され、お店を守っています。

石川さんは娘さんである下田さんのことを、こう話します。

「もともと看護師でしたが、やりたいことに向かって勇気を持って飛び込む姿はすごいなと思いました。いつも反対はしませんでした。根底にある気持ちは、“ひとのために、誰かの喜びのために”と思っているのがよく理解できたからですね」

石川さんは、今の流行を取り入れながらも、代々受け継がれている味を守っています。インスタグラムを運用し、楽しい投稿もしています。

下田さんに次なる目標をお聞きすると、「お店をほかの町にも増やしたいですね。おいしいものをできる限り多くの方に届けたいと思っています！」とのこと。旭川市以外でも「番番」の味噌ラーメンを味わえる日は、そう遠くないかもしれません。

＜店舗情報＞
■ラーメン工房味の番番本店
■住所：北海道旭川市春光1条8丁目11-5
■電話番号：0166-52-7388
⇒営業時間など詳細はこちら

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