畜大チーズ部_工房研修

チーズを極める「畜大チーズ部」に潜入!学生が虜になる北海道のチーズの魅力とは

帯広市にある帯広畜産大学(以下、畜大)には、ほかの大学にはない少し変わったサークルがあります。筆者が特に気になったのは『畜大チーズ部』。畜大らしい印象のあるサークルですが、どんな活動をしているのでしょうか?

今回は『畜大チーズ部』の活動内容に加え、部員に聞いた“おすすめチーズ”や“北海道チーズの魅力”についても詳しくご紹介します。

広大なキャンパスと自然が魅力な「帯広畜産大学」

『畜大チーズ部』が活動しているのは、帯広市にある帯広畜産大学。

広大なキャンパス内には、校舎や運動施設などはもちろんのこと、実験圃場(ほじょう)や牛舎、豚舎、加工施設などもあります。映画『銀の匙』のロケ地として、馬術部のパドック*や厩舎が使用されたことでも有名です。

*パドック・・・レースに出走する馬がスタッフにひかれて周回する場所。下見所ともいう。

気になる「畜大チーズ部」の活動内容とは?

『畜大チーズ部』の発足は公式発表だと2016年ですが、非公式で2007年ごろから活動があったんだとか。2023年4月末の部員数は、新1年生を含めた68人です。

今回お話を伺ったのは、小林さん、廣田さん、現部長の大野さん、前部長の星野さん、斉藤さんの5人。現部長の大野さんは大学2年生、そのほかの4人は全員4年生です。

活動内容は、主にチーズの製造実習やチーズ工房の見学・研修がメイン。ほかには2ヶ月に1度、部員で持ち寄ったチーズを味わう『チーズを楽しむ会』もあります。

コロナ禍の影響で1〜2年生の間はほとんど活動ができなかった4年生。昨年度は内容の濃い活動ができて充実した1年だったそうです。

一味違う!現部長の入部理由は「畜大牛乳」のため

「チーズが好きだから」という理由で入部する部員が多いなか、現部長の大野さんの入部理由は一味違います。

大野さんは『うしぶ』というサークルにも兼任で所属中。『うしぶ』は、大学構内の農場で牛乳の元になる生乳を毎日搾乳するサークルです。その生乳は『畜大牛乳』として、十勝管内のスーパーなどで販売されています。あるとき、学生にアンケートを実施したところ、畜大生の50%は『畜大牛乳』を飲まないことが判明。「なんとか畜大牛乳の消費拡大を!」という気持ちから加工品であるチーズに着目し、『畜大チーズ部』へ入部したそうです。

教えて!「部員おすすめのチーズ」4選

さまざまなチーズ工房で見学や研修を受けている『畜大チーズ部』の5人に、おすすめのチーズを教えてもらいました。

チーズ工房 白糠酪恵舎「モッツァレッラ」

まず1つ目は、白糠町にある「チーズ工房 白糠酪恵舎」の『モッツァレッラ』です。「チーズ工房 白糠酪恵舎」代表の井ノ口さんは畜大の卒業生。チーズ部の支援はもとより、畜大1年生を対象とした『全学農畜産実習』の指導もされています。

柔らかく生乳本来の味にこだわったモッツァレラチーズは、一般のお客さまはもちろん、ほかのチーズ工房のプロも認めるほどの逸品。

広内エゾリスの谷チーズ社「コバン」

2つ目は、新得町にある「広内エゾリスの谷チーズ社」の『コバン』。見た目のとおり小判型の白カビチーズは、カマンベールよりも滑らかでとても食べやすい商品です。

宮城県出身で乳酸菌の勉強をしている斉藤さんは、「常温放置して、より柔らかくして食べるのが好きなんです」といいます。

「広内エゾリスの谷チーズ社」は、小さな子どもでも喜んでもらえる製品づくりがコンセプトの1つ。各工房にはさまざまなコンセプトがあり、部員のみなさんは非常に勉強になるんだとか。

しあわせチーズ工房「幸-sachi-」

3つ目は、足寄町にある「しあわせチーズ工房」の『幸-sachi-』。放牧期間中のミルクで製造するため、味と香りがよく、旨味が深いチーズです。キャラメルみたいな香ばしさも味わえるのが特徴。

おすすめしてくれたのは、チーズを食べることが好きな小林さんです。

さらべつチーズ工房「きまぐれブルー」

4つ目は、更別村にある「さらべつチーズ工房」の『きまぐれブルー』。食べはじめに強い塩気を感じ、だんだんとブルーチーズの独特の味わいが口に広がります。

「ブルーチーズは苦手でしたが、こちらのチーズを使ったピザを食べてから好きになりました」と前部長の星野さん。「就職が決まったら、お祝いとして食べたいですね!」というほど、特別な一品です。

部員が語る「北海道チーズ」の魅力

『畜大チーズ部』のみなさんに“北海道チーズの魅力”について伺いました。

5人の意見でもっとも多かったのは、“圧倒的な種類の豊富さ”。十勝だけでもマップができるくらい、大手チーズメーカーや工房が多数存在しています。消費者はもちろん、工房のチーズを利用する飲食店も迷うくらい選択肢が多いことは、北海道チーズの魅力の1つといえるでしょう。

さらには「長野にもチーズはありますが、観光客が購入するイメージですね」と長野県出身の小林さん。長野と北海道の違いを指摘します。

「北海道、特に十勝の人たちは、生活の中にチーズ文化が根づいているように感じます。」そう語ったのは、北海道のチーズ工房に就職内定が決まった廣田さん。「チーズ部に入ったことで、人生が変わりました」と笑います。

“地産地消”という言葉があるように、北海道のチーズはまず道民に“食べて応援”してもらいたいです。もちろん、国内外の方も“食べて応援”のほどお願いします!

『畜大チーズ部』のこれからの目標は『畜大牛乳』を使用したチーズの商品化だそう。現部長の大野さんは「まだコンセプトもなく、準備段階にも入っていませんが、自分の卒業までには商品化をしたいと思っています」と話してくださいました。

『畜大チーズ部』の作るチーズ、楽しみですね。

【画像】畜大チーズ部、広内エゾリスの谷チーズ社、チーズ工房 白糠酪恵舎、しあわせチーズ工房

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