気球で宇宙へ!? 宇宙旅行を目指す企業が北海道スペースポートでの実証実験に成功
2022年5月19日、大樹町の「北海道スペースポート(以下、HOSPO)」にて、「株式会社岩谷技研(以下、岩谷技研)」による通信基盤の放球試験が実施され、最高高度33.1kmからの安定した信号受信に成功しました。
なお、「岩谷技研」による「HOSPO」での試験は今回がはじめて。
気球で宇宙旅行を目指す!? 「株式会社岩谷技研」とは
「岩谷技研」は、気球による宇宙旅行の実現を目指す札幌市の企業です。
今年2月には、テストパイロットを乗せた有人状態で、最大高度30mでの低高度飛翔試験にも成功しており、今年度中により高度を上げた有人飛翔試験の実施へ向けて試験を進めているとのこと。将来的には77m級の6人乗り気球で、高度25kmへの宇宙遊覧実現を目指しているそうです!
大樹町「HOSPO」ではじめての試験実施
これまでは沖縄県宮古島市と福島県相馬市で試験を実施してきた「岩谷技研」ですが、2021年4月に「HOSPO」がアジア初の民間にひらかれたスペースポートとして大樹町で本格稼働を開始したことを受けて、今回ははじめて大樹町で実施しました。
「HOSPO」は、本社がある札幌市からのアクセスもよく理想的な環境。今後は、大樹町や「HOSPO」を運営する『SPACE COTAN社』と協力体制をとって、大樹町での実証実験も行っていくとのことです。
実験の目的とは?
さて、今回の実験についてですが、「岩谷技研」が構想している宇宙遊覧高度(25km)を超える高度30kmで、無線での通信ができるかどうかの確認が目的でした。
気球は朝7時26分に放球され、9時25分に高度30kmを超えた後、最高高度33.1kmに到達。9時48分には大樹町から東に83km離れた釧路沖の海域に着水しました。
打ち上げ直後から着水の直前まで信号の受信が確認され、実験は成功! 今年3月に実施した際は最高高度18.2kmからの受信成功だったとのことですから、大幅に高度が上がったことがわかります。
今後も「HOSPO」などで同様の試験による改良を繰り返し、宇宙遊覧の実現を目指していくそうです。
大樹町から気球に乗ってちょっと宇宙へ、なんていう日も近いかもしれません。今後の「岩谷技研」、「HOSPO」に注目ですね!
【参考・画像】岩谷技研、北海道スペースポート(HOSPO)で通信基板の放球試験に成功 最高高度記録33.1㎞に到達 / SPACE COTAN株式会社
【参考】株式会社岩谷技研
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