お葬式

北海道の「お葬式」は全国共通じゃなかった!? 北海道ならではの風習5つ

2022.03.24

人生、出会いもあれば別れもあります。出会った人との別れの場であるお葬式は、その土地に根付いて執り行われてきた歴史があります。実は、北海道のお葬式にも北海道ならではのマナーや風習があるようです!

※北海道内での地域差や家庭ごとの風習の違いがあります

北海道のお葬式の風習1:香典に領収書が出る

北海道では香典に領収書が出ます。受付で香典袋を渡すと、その場で中身を確認されて、受付の人が領収書を記載して渡してくれるのです。

また受付に記帳がない場合もあり、誰が参列したのかわかるよう、香典袋に名前と住所を書いて手渡すこともあります。帰りではなく、この受付時に香典返しを受け取る、といったケースも多いです。

北海道のお葬式の風習2:火葬の順番が違う場合も

お葬式は一般的に通夜、告別式、火葬の順に執り行われます。しかし、北海道では地域によって、火葬の順が違うようで……。最初に行う、あるいは通夜と告別式の間に火葬をするということもあるようです。

北海道のお葬式の風習3:祭壇の前で集合写真を撮る

北海道のお葬式では、祭壇の前で親族だけの集合写真を撮る、という風習もあります。タイミングは葬儀の前や後など。葬儀を執り行ってくれる業者のサービスに、写真撮影が組み込まれている場合もあります。

北海道は本州から移住してきた人が多くいて、親戚がそれぞれ遠い場所で暮らしていました。そのため親戚が一同に集まる機会が少なかったため、お葬式で集まったときに写真を撮る、という習慣が根付いたようです。

筆者も亡くなった祖父の古い写真を整理していると、お葬式で親戚が集まったのだろうという記念撮影の写真がいくつも出てきました。「昔はこうやってみんなで集まって撮ったんだよ」と母から教えてもらいました。

ただ筆者が成人してから参列したお葬式では、写真撮影は行われませんでした。風習としては少しずつ減ってきているのかもしれません。

北海道のお葬式の風習4:霊柩車がバス

斎場から火葬場へ向かう際、故人は霊柩車に乗って運ばれます。霊柩車には、装飾のある屋根がついた宮型やリムジン型がありますが、北海道ではバス型の霊柩車が一般的。

火葬場に向かう参列者も同じバスに乗車。冬は雪深く移動も大変な北海道では、それぞれが車で移動するのではなく、みんなでバスに乗るようになったのではないかと考えられています。

北海道のお葬式の風習5:地方紙に一般人の訃報が掲載される

北海道で発行されている『北海道新聞』では、一般の方の訃報を掲載しています。

一般的に新聞には有料で訃報告知を載せることはできますが、『北海道新聞』は葬儀を伝えると無料で掲載してくれます。葬儀が終了してから載せる方もいます。伝えなければ、掲載されることもありません。葬儀を知らせる意味もあり、お葬式についてチラシや回覧板で知らせる地域もあるようです。

 

悲しいことですが、生きていれば必ず人との別れがやってきます。その土地の風習を心得て、大切な気持ちを持ってお葬式に臨みましょう。

【参考】北海道、北海道博物館、青柳株式会社、北都ベリアールサービス株式会社、国立国会図書館
北の生活文化(和人の一生<誕生から成人儀礼まで ) / 北海道 環境生活部文化局文化振興課
厚沢部町における食と儀礼 ―かだっこ餅を中心として― / 尾曲香織・舟山直治 北海道博物館研究紀要
ご葬儀の写真・遺影 / 札幌の葬儀社セレモニーホール青柳
葬儀の車 / 札幌での霊柩車・搬送車は北都ベリアール
北海道新聞のおくやみ欄に亡くなった市内の親戚が掲載されなかった。掲載の基準があるか知りたい。 / 国立国会図書館 レファレンス協同データベース

【画像】t.sakai、den-sen、Fast&Slow、どんべい、sky&sun / PIXTA(ピクスタ)