鶏飯1

北海道にいながら奄美飯。種子島出身のオーナーがこだわり抜いた「鶏飯カフェ」(千歳市新星)

2022.02.05

千歳市中心部から車で10分ほど、支笏湖へ向かう道道16号支笏湖公園線沿いにある「ふふふcafe」。2021年7月16日にオープンしたこちらのお店では、鹿児島県奄美群島の郷土料理である『鶏飯(けいはん)』をメインに提供しています。

千歳川が近くに流れる自然豊かな場所にある「ふふふcafe」は、オーナーご家族の住宅兼店舗。どんな経緯でこのカフェを開いたのか、オーナーご夫妻にお話を聞きました。

北海道で奄美の郷土料理「鶏飯」をメインにしたカフェ「ふふふcafe」。開業の理由とは

小椋さんご夫妻は2人ともカフェが大好きで、妻・清美さんはカフェで働いていたこともあるほど。以前から「いつかカフェをやりたいね」と話していて、やるのであれば自宅でできないか……と、新しく自宅を建てるときにカフェを開く前提で設計・施工されたそう。

小椋さんご夫婦

オーナーの小椋さんご夫妻。 出典: 北海道Likers

清美さんは鹿児島県の種子島出身。「鹿児島県内では給食のメニューに鶏飯が出ていたんです。来客があったときに振る舞うと、めずらしいし美味しいと喜ばれていたこともあり、北海道ではあまり食べることができない鶏飯をメインにしたカフェを開こうと思いました」

「鶏飯」とはどんな料理?

鶏飯は鹿児島県奄美群島の郷土料理です。ご飯の上に、鶏胸肉・しいたけ・錦糸たまご・たくあん(もしくはパパイヤの漬物)・ねぎ・きざみのりをのせ、そこに鶏がらでとった出汁をかけて食べるというもの。

具材は別皿で提供されることが多いそうですが、こちらのお店では具材をのせ、鶏がらに道産のこんぶとかつおを入れた出汁を自分でかけて食べるというスタイル。お茶漬けのようにさらさらと食べやすかったです。チキン南蛮、青菜のごまあえ、豆乳豆腐が添えられていて、見た目以上にボリューム満点でした!

こだわりがたっぷり。ナチュラルでシンプルな店内

外観や鶏飯からも伝わるナチュラルな雰囲気。店内にも小椋さんご夫妻のこだわりがつまっていました。店内は、靴を脱いで入るスタイルで、真っ白い壁と木をベースにした、シンプルながら居心地のよい空間です。

大きな窓からは、今の時期は雪景色のなかエサを求めてエゾシカが現れることがあるのだとか。筆者が伺った日も遠くにその姿を見ることができました。

椅子は一つひとつ違っていて、どれも個性的です。どこに座ろうか迷ってしまいますね。

店内に明かりを灯すのは、壁に取り付けられた電球のランプ。やわらかく温かみのある光に癒されます。

「シンプルにこだわっていて、余計なものを置かず、なるべく自然の素材のものにしたり、生ける花は同じ色にするなど統一感を出すようにしています。店舗兼住宅は札幌の建築事務所『トロッコ』さんに設計をお願いし、店内の椅子とテーブルは長沼町の大工さん『yomogiya』さんに作っていただきました」

食後に味わいたい!スイーツとスペシャリティコーヒー

こだわりいっぱいの「ふふふcafe」でいただきたいのでは、鶏飯だけではありません。夫・雄二さんが担当するカフェメニューは、スイーツ2種とドリンク。

鶏飯でお腹いっぱいでしたが、甘いものは別腹! 食後に、人気のプリンと自家焙煎のスペシャリティコーヒーをいただきました。

プリンは少し固めでカラメルソースがたっぷり! このプリンには種子島産の粗糖(粗めのさとうきびから作られた砂糖)が使われていて、素朴な甘さがたまりません!

粗糖は店内でも販売されていて、買って帰られる方が多いそう。この日は、和紅茶も販売されていました。

プリンはコーヒーとの相性もバッチリ! 自家焙煎のスペシャリティコーヒーは、常時4〜5種類くらい用意されているそう。好みをヒアリングしてくださったので、筆者は苦めのコーヒーをオーダーしました。

「鶏飯メインのお店ということで、ランチに来られるお客さまがほとんど。カフェ利用もできるので、気軽に立ち寄っていただきたいです。スイーツメニューは今のところ2種類ですが、今後増やしていけたらいいですね」と雄二さん。

 

おふたりのやさしい雰囲気と素朴で美味しい料理、スイーツ。シンプルな料理、スイーツ、インテリアだからこそ、そのよさがしっかりと伝わってくる素敵なお店でした。支笏湖ドライブのランチ、カフェにぴったりなロケーションなので、ぜひ立ち寄ってみてください!

<店舗情報>
■ふふふcafe
■住所: 北海道千歳市新星2-1-1
⇒営業時間など詳細はこちら

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