アラビゴコーヒー東4条店

昭和から時間が止まったまま。あたたかな夫婦が営む「懐かしい空気感の老舗喫茶店」(旭川市)

2021.12.25

旭川市内には昔ながらの喫茶店が多く、長く営業しているお店も少なくありません。

旭川市内忠和にある「アラビゴコーヒー」は、1974年に創業したコーヒー豆を焙煎する工房です。そのコーヒー豆を使ったコーヒーを提供する喫茶店は旭川市内に3店舗。経営オーナーはそれぞれ異なり、「アラビゴコーヒー」の豆を使うことでお店の看板を背負い、営業をしています。

忠和店、買物公園店、東4条店の3店舗のうち、“むかしながらの喫茶店”の雰囲気を大切にしている「アラビゴコーヒー 東4条店」をご紹介します。

格子窓から灯がもれる素敵な喫茶店「アラビゴコーヒー 東4条店」

「アラビゴコーヒー 東4条店」は、住宅街にある喫茶店。地元の人でもお店の場所に慣れるまでは通り過ぎることもよくあります。

夕方になると看板に灯がともり、格子窓から灯がもれる素敵な雰囲気。そんな夕方にお邪魔して、お話を聞いてみました。

前オーナーさんからお店を引き継いだのは、現オーナーの久保さんご夫妻。昔は東京の飲食店でアルバイトをしていたというご主人の久保弘さんと、20代のころからコーヒーがお好きだった妻・享子さんが出会い、24年ほど前からご夫婦で営業されています。

レストラン並みのメニューの豊富さとおいしさ

「アラビゴコーヒー 東4条店」の特徴のひとつは、お食事メニューが豊富であること。

パフェやケーキ、サンドイッチなどの軽食から、パスタ、ドリア、グラタン、カレー、オムライス、日替わり弁当、定食などしっかりめのお食事まで、実に多種多様。モーニングからランチ、ティータイム、ディナーとお客さんが1日を通してずっと来店しています。

食べたいものがなかなか決まらないときでも、「アラビゴコーヒー 東4条店」ならかならず食べたいものが見つかる、そんな喫茶店です。

人気のメニュー「日替わり弁当」

享子さんのおすすめは“ドリア”。筆者は以前『シーフードドリア』をいただいたことがありますが、ホワイトソースが濃厚でボリュームたっぷり。熱々のチーズは焼き目が香ばしく、おいしかった思い出があります。

人気の高いメニューはグラタンやドリアとのことですが、筆者は以前いただいたことがあったので、同じくらい人気の『日替わり弁当』をいただきました。

少しずつたくさんの手作りのおかずが並びます。かぼちゃの煮つけの絶妙な甘み、揚げたてのかき揚げ、脂ののった焼きさば。そしてデザートには、カットされたバナナ!

旭川市のシンボルもわかる!コーヒーの名前

また、もうひとつのおすすめはもちろん“コーヒー”。

ハンドドリップコーヒーにはそれぞれ旭川市のシンボルを象徴するネーミングがされていました。

・ななかまど・ブレンド:キリマンジャロベース(ナナカマドは旭川市の「木」)
・つつじ・ブレンド:マンダリンベース(ツツジは旭川市の「花」)
・あさひかわ・ブレンド:コロンビアベース
・カンタン・ブレンド:モカマタリベース(カンタンは旭川市の「虫」)
・キレンジャク・ブレンド:マウンテンベース(キレンジャクは旭川市民の「鳥」)

すべてハンドドリップで1杯ずつ淹れる本格的なコーヒーは、深くフルーティーな香り。また、コーヒーに生クリームが添えられるのは東4条店だけ。生クリームを入れることで違った味わいを楽しめるのがうれしいんです。

昭和の雰囲気がただよう、懐かしい空気感

「店内は開店当初のままなんです。照明がきれいといって写真を撮る方もいらっしゃいますよ。窓や入り口ドア、食器棚などに格子が多いのも特徴かもしれませんね」と享子さん。

照明は落とし気味でとても落ち着いた雰囲気。各テーブルには、小さなランプやクリスマスツリーが置かれています。また、享子さん手作りの温かなひざ掛けも用意されていました。お客さんに対する温かな歓迎の気持ちと、いつ来ても変わらぬ昔からの空気感を大切にされているのが伝わってきます。

BGMはレコード

店内の懐かしさや温かさをさらに高めているのが、BGM。

この日のBGMは小椋佳さんのアルバムが流れていました。針の音こそ聞き取れませんが、客席から見える位置にあるレコードプレーヤーには、何ともいえない懐かしさと切なさを感じます。

このレコードの次は讃美歌でした。お店を訪れたとき、どんなBGMがかかっているのかも楽しみのひとつなのです。

「お味噌汁、お願いします」とオーナー・弘さんが、厨房から穏やかな声で享子さんへ声をかけます。可愛らしく働き者の享子さんは、感じよくお客さんに対応しながらも、次々と訪れるお客さんやオーダーをしっかり把握。忙しくても穏やかな雰囲気のまま、夫婦の息はぴったりです。

「もっと忙しい時間はそうもいかないんですよ。言葉がきつくなることもあります。けれどやっぱり仲良くやっていかなくちゃね」と享子さん。

 

どこの町から訪れても、懐かしさと温かさ、おいしいお食事とコーヒーで久保さんご夫婦が迎えてくれる「アラビゴコーヒー 東4条店」。

“むかしながらの喫茶店”を味わいながら、あなたなりの懐かしい思い出にひたる時間を過ごしてみては?

<店舗情報>
■店舗名:アラビゴコーヒー 東4条店
■住所:北海道旭川市東4条2丁目3-8
■電話番号:0166-25-2377
■営業時間:9~20時
■定休日:月曜、第2・4日曜
■駐車場:あり

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