ジンギスカン

ジンギスカンの呼び名の謎に迫る。中国の郷土料理にモンゴルの武将が由来?

2021.05.07

ジンギスカンといえば北海道を思い浮かべる方も多いはず。道民には慣れ親しんだ味ですよね。

道外出身者の筆者ですが、「ジンギスカンってこんなに柔らかでジューシーなんだ!」とその旨さに感銘を受けことを今も覚えています。

だけどそもそもなぜ、「ジンギスカン」と呼ばれるのでしょうか。ジンギスカン命名の由来は? 気になりますよね。それでは謎に迫ってみましょう!

ジンギスカンの名付け親は?

駒井徳三という人物をご存じでしょうか。ジンギスカンの名前の由来には諸説ありますが、ジンギスカンの名付け親として有力とされているのが彼なのです。

東北帝国大学農科大学(現北海道大学)出身ということで、北海道ともつながりがあります。彼は南満州鉄道で働いた経験のある官僚、実業家です。

ちなみに中国には、ジンギスカンの原型ともいわれるカオヤンロウ(烤羊肉)という郷土料理があります。

カオヤンロウとは、薄く大きく切った羊肉をにんにくやしょうが、酒やしょうゆなどに漬け、金網で焼いて食べる羊肉料理。調理方法もジンギスカンとよく似ていますよね。

南満州で働いていた駒井徳三となにか関係があるかもしれません。

なぜ羊肉料理をジンギスカンと呼んだ?

そんな駒井徳三は羊肉料理を見て、モンゴルの英雄”チンギス・ハン”をイメージしたと言われています。

チンギス・ハンは、戦において兵士たちを鼓舞するため、羊の肉を焼いて食べさせていたという伝説が残っているんです。

この伝説と関係があるのかは分かってはいませんが、彼は羊肉料理からチンギス・ハンを連想したようです。そして羊肉料理を「ジンギスカン」と名付けたそう。

しかし実際には、モンゴル料理にジンギスカンのような料理はないといいます。とはいえジンギスカンがないだけで、モンゴル料理には羊肉がよく使われていますよね。

筆者はモンゴルの西に広がる中央アジアをよく訪問しますが、同じように羊肉がメイン料理です。どちらも遊牧が盛んだったモンゴル帝国の一部ですが、かつてチンギス・ハンが羊肉料理を食べていたことが想像できそうです。

ジンギスカンの歴史も気になる方はこちらの記事も!

ジンギスカン命名の由来については諸説あり、ここでは有名な駒井徳三説を紹介しました。

ではジンギスカンはどのように北海道に広まったの? どんな歴史?

さらに気になりますよね……!

その理由について、明治時代に遡って考察した記事がこちらです。

北大生が徹底考察!ジンギスカンが北海道で広まった理由を、歴史から読み解いてみた – 北海道Likers

普段何気なく食べているジンギスカンもその歴史は深く、知れば知るほど面白いはず。

興味のある方はぜひチェックしてみてください!

 

現在でも解き明かされていない謎もありますが、記事を書きながらジンギスカンが食べたくなってきたことは事実です……。

当時も今も、人とともにあり続けるジンギスカンの魅力が、さらに分かった気がします。

【参考】
ジンギスカンの知識|学ぶ・知る|ベル食品
ジンギスカンとは?@ジンギスカンWebは羊肉専門店
駒井徳三 | 近代日本人の肖像 
カオヤンロウ | 日本大百科全書

【画像】Black Salmon、Maykova Galina / shutterstock、mych67、詩織_shiori / PIXTA(ピクスタ)