息をのむ美しさ!ベテランガイドが案内する初秋の積丹。岩場でいただくランチも絶品
アイヌ語で「夏・村」の意味を持つ積丹は、札幌圏のリゾートです。その名の通り夏季にはたくさんの人が訪れています。
しかし静けさを求めるなら行楽客が少ない秋がねらい目。猛暑が続いた年は初秋でも水温が高く、まだまだ海で遊べます。初秋の積丹半島でシーカヤックツアーに参加しました。
積丹の海を知り尽くしたガイドが案内「積丹カヤックス」
積丹でシーカヤックツアーを実施している業者はいくつかありますが、「積丹カヤックス」は、約20年の歴史を持つ”積丹半島を知り尽くしたガイド”です。代表の西村巌さんは千葉市出身で、大学時代に自転車で北海道を一周した勢いで札幌の会社に就職。初めての海外旅行で体験したアリューシャン列島単独シーカヤッキングに刺激を受け、2003年に「積丹ヤックス」を設立しました。
ツアー対象年齢は小学校高学年以上70歳以下。身長185cm以上または体重90kg以上の方は要相談です。装備の都合により4名まで参加OK。安全上の理由から日本語を理解できる方のみ参加できます。今回はワンデイツアーですが、7~8月は一泊二日のキャンプツアーも実施しています。
西村さんから海や風の状況の説明を受けます。「本日は午前中は穏やか、午後から少し風が強くなる見込みですが、カヤックを楽しむには問題ない」とのこと。予想は長年の経験に裏付けられており、安心して参加することができます。
ツアーを開催する海域は、マッカ岬、積丹岬、神威岬、沼前岬、ジュウボウ岬、美国のいずれかで、本日は神威岬を目指します。
積丹ブルーの海に繰り出そう!
コクピット内に水が浸入しないためのスプレースカートやライフジャケットを装着後、操作方法を教えてもらいます。カヤックを操るのは久しぶり。穏やかな波にテンションが上がります。
パドルを漕いで積丹ブルーの海に出発。9月末(取材時)だというのに水温が高く、泳げそうなレベルでした。積丹の海がコバルトブルーなのは、抜群の透明度と海藻が少なく、海底に白い岩がゴロゴロと転がっているから。息をのむほど美しい光景です。
義経伝説が残る神威岩
約1時間30分ほど漕いで神威岩に到着しました。ここには源義経の伝説が残されています。
平泉で自害したとされる源義経は生き延びて北へ逃れ、津軽から蝦夷地に渡ったといわれています。義経主従は、平取のアイヌの長の許に身を寄せ、義経は長の娘であるチャレンカと恋に落ちました。しかし義経は中国大陸を目指して旅に出るため、チャレンカに黙って平取を去り、積丹半島に移動しました。
チャレンカは神威岬にたどり着きましたが、義経一行は船に乗って中国大陸へと旅立った後でした。それを聞いたチャレンカは泣き崩れ、神威岬の突端から身を投げました。その遺体は石と化し、神威岩になったと伝えられています。
海中を浮遊する謎の生物
海面に目を向けると、不思議な生物を発見しました。
これは「サルパ」という生物です。クラゲのように見えますがホヤの仲間。透明な体を持ち、写真では黒く写っていますが、中心には朱色の内臓が透けて見えます。
無人の岩場でランチタイム
地上からは行くことができない岩場に上陸して、ランチをいただきます。手慣れた様子で西村さんがタコスを作ってくれました。「手軽で具材が選べるので万人向け」とのこと。
5月中旬まではギョウジャニンニク料理、5月下旬〜9月はタコス、10月はパエリア、リピーターには特別なランチを提供しているそうです。
ランチのあとは、海を眺めたり、岩に登ったり、ゆっくりと時間を過ごします。岩の上にはカモメが食べたと思われるウニの殻が乗っていました。
日差しが強く、Tシャツでも寒さを感じません。カヤックを漕いだ疲れさえも爽快に感じました。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく
心は「もっとカヤックを漕いでいたい」と叫んでいますが、体は「もうやめてくれ」と哀願しています。傾きかけた日差しを受けて、キラキラと輝く海を漕いでスタート地点に戻りました。
夏季のシーカヤックは5月中旬から10月初旬まで。海が荒れやすく、ツアーが中止になる確率は高いですが、1月から3月までアザラシやトドを観察するツアーも実施しています。自然の懐に抱かれて、積丹の素晴らしさを堪能してください。
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■積丹カヤックス
■住所:北海道積丹郡積丹町大字野塚町新道139-1
■ホームページ:https://www.shakotankayaks.com/
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