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気付いたら言わさってる!? 家族団らんの場で使われがちな北海道弁4つ

2022.07.23

北海道外に暮らしている道産子でも、家族と電話をすると北海道弁で話す、なんてことがあります。とくに帰省して家族が集まった場では、普段は使っていないのに気づけば方言で話しているということも多いでしょう。そんな家族が集まったときに言いがちな北海道弁をご紹介します。

1:ゴミを渡して「投げといて」

【標準語】ゴミを捨てる

北海道では「ゴミを捨てる」ことを「ゴミを投げる」と言います。もちろん「捨てる」でも意味は通じますが、普段使う頻度が多いのは、断然「投げる」。

道外の人に、「ゴミ投げてね」と言うと、本当にゴミを放り投げてしまうイメージを持たれるため驚かれます。家庭では子どもがゴミを放置して、お父さんやお母さんに「ちゃんと投げなさい!」なんて叱られるという光景は北海道ではよくあることですが、道外では不思議な言い回しかもしれませんね。

北海道以外では、青森県、岩手県、秋田県、山形県、宮城県、新潟県でも同じ意味として使われている言葉のようです。

2:食事が終わったら「うるかして」

【標準語】水に浸けておく

食事が終わったら食器を「うるかす」のが家族としてのマナー。汚れがこびりつきにくくなり、食器を洗う人が助かります。「うるかす」は標準語で「水に浸けておく」という意味。東北地方でも同様の意味で使われているそうですが、簡潔に言い表せるので、ぜひ他の地域でも使ってほしいと筆者が密かに思っている北海道弁です。

食器だけでなく、お米を水に浸けておくときも「うるかす」を使います。ただじゃがいもやなすなど野菜を水にさらすときには使いません。

ちなみに筆者の家庭では、さらになまって「うろかす」と言っていました。家庭や地域によって、ちょっとした言い回しや使い方が異なるのも方言ならではですね。

【もっと詳しく】【北海道弁講座】日常生活で大助かり!標準語でもいいくらい便利な「うるかす」

3:子どもの成績について話すとき「テストでげっぱをとった」

【標準語】ビリ

家庭で子どもの勉強について話題に上がることもあるかもしれません。「テストでげっぱをとった」なら、それは大変! 「げっぱ」は「下端」と書き、要するに「ビリ」ということ。勉強だけでなく、徒競走など運動での“ビリ”にも使われる表現です。筆者は子どものころから体力がなく、部活の合宿でおこなった持久走でげっぱになったことがあります。

でも、げっぱになったらもう下がることはありません。「あとは上がるだけ!」と子どもを励まして、結果だけでなくがんばっている姿そのものを褒め称えたいところです。

【もっと詳しく】げっぱにはなりたくない!運動会でよく言っていたセリフも方言だった

4:カードゲームをするときに「てんをきる」

【標準語】カードを混ぜる

家族でトランプや『UNO』などカードゲームをして遊ぶこともあるでしょう。戦略はあれど、年齢も関係なく遊べる楽しいカードゲームもたくさんあります。ゲームをリセットするときには「てんをきる」ところから。標準語では「カードを混ぜる」という意味です。えっ、この方言が通じないなんて……。筆者は「逆になんて言うの?」と思ってしまいました。

「カードを混ぜる」だと、道産子の筆者からすると、ごちゃ混ぜにしているイメージがあります。きちんとカードをそろえて、片手で上に重ねていくようにするのは「てんをきる」という言葉がしっくりときます。ババ抜きなどをしたあとは、きちんとてんをきらないと、またすぐゲームが終わってしまうので気をつけたいですね。

【もっと詳しく】これ、なんて言う?トランプをするときに方言だと気づかずに使っている北海道弁

 

家事に関することから家族での楽しみまで、いろんなシチュエーションで北海道弁が出てきます。使い勝手のいい方言はぜひもっと多くの人に使っていただきたいものです。

【参考】帯広大谷短期大学、中標津町役場、国立国会図書館
北海道語について(Ⅱ) -十勝の方言を中心にして- 池添博彦 / 帯広大谷短期大学紀要 開学50周年記念号(第48号)2011年3月
北海道弁 / 中標津町役場
レファレンス協同データベース / 国立国会図書館

【画像】Fast&Slow、Graphs、C-geo、ペイレスイメージズ1(モデル)、ocsa / PIXTA(ピクスタ)