公務員のモヤモヤを市場価値に変える。札幌発の特化型キャリア相談サービス「カントミントキャリア」が始動

安定した職業の代名詞とも言える公務員ですが、「このまま定年までいていいのか」「自分の経験は民間企業で通用するのか」など、自身のキャリアに人知れずモヤモヤを抱える人が増えています。

今回は、そんな公務員の悩みに寄り添い、官民の壁を取り払うべく北海道札幌市で立ち上がった、特化型キャリア相談サービス『カントミントキャリア』をご紹介します。

安定の裏にある公務員のモヤモヤとは

公務員のキャリアを考えるとき、「転職するべきか、続けるべきか、自分でも答えが見えない」「公務員で勤めたことが民間企業からどう見えるのかわからない」といった声が多く聞かれます。同僚や家族にも相談しづらく、一人で悩みを抱え込んでしまうケースも少なくありません。

『カントミント株式会社』は、札幌市役所でスタートアップ支援やDX推進などを牽引してきた元係長3名が2025年4月に創業した企業です。民間企業と行政にある見えない壁を取り除くことを目的に、2026年6月から公務員特化型のキャリア相談サービス『カントミントキャリア』をスタートさせました。

画像:カントミント株式会社

代表取締役の中本大和さんは、民間企業から公務員へ転職した際、世間のイメージと実際の優秀さのギャップに驚いたと言います。 「Webニュースなどではネガティブな評価を受けることも少なくない公務員ですが、実際は自分で予算を要求し、多くのステークホルダーを調整しながら複数のプロジェクトを回す経営者のような仕事をしています。皆、公共のための奉仕精神を持ち、時には自分の生活や家族の時間を犠牲にして終電近くまで働くほど優秀で実行力のある方ばかりです。」

しかし、公務員は人材市場で評価されにくく、自身のキャリアを諦めてしまう人が多いのが現状です。キャリアの多様な考え方が失われると組織にキャリアを委ねることになり、結果として“上司や組織の誤った判断を制止する力”も弱まるという悪循環が起きています。中本さんはこの現状に危機感を抱き、本サービスの立ち上げに至りました。

元公務員だからわかるリアルな経験

同サービスの最大の特徴は、サポートを行うアドバイザーが全員元公務員であることです。市役所や県庁、中央省庁など様々なバックグラウンドを持つ20名以上の先輩アドバイザーが在籍しています。異動や人事評価、住民対応といった公務員特有のリアルを、説明しなくても分かってくれる安心感があり、職場や家族には話しづらい本音を、1対1の環境でじっくり相談することができます。

公務員スキルを民間言語に翻訳する専門性

公務員の経験は、外の世界でどう評価されるのでしょうか。同サービスでは、日本人事院や各種公務員コンピテンシー調査に基づく診断で能力を客観的に分析します。公務員特有の経験を民間企業にも伝わる言葉へと変換し、そのまま使える職務経歴書の作成まで支援してくれます。

例えば、約3年に1回の人事異動で鍛えられた“業務調整力”。これは、広い視野で関係者や予算、タスクを調整し、全体像と役割をいち早く把握して次へスムーズに引き継げるよう業務を標準化する力です。中本さんは「この能力は人の出入りが激しく、スピード勝負のスタートアップ企業などでとても必要とされる」と語ります。実際に同社自身が、スタートアップ企業の業務調整や補助金管理の支援を担当していることからも、そのスキルの高さが証明されています。

転職させない選択肢も尊重する信頼性

一般的な転職エージェントと大きく異なるのは、「転職だけが答えじゃない」と明言している点です。スポット型のコーチング等を通して、副業や、今の職場で公務員を続けながら活躍の場を広げる道もニュートラルに提案してくれます。辞めさせるサービスではなく、本人の判断を最大限に尊重し、公務員のポテンシャルを引き出すことを目的としています。また、在職中の情報が所属組織に漏れる心配もありません。

最近では「AIに取って代わられる仕事の代表格である公務員の仕事の安定が揺らぐかもしれない」と危惧し、いつでも転職できる準備をしておきたいという相談も増えているそうです。常にキャリアの選択肢を持っておくことで、“色々な選択肢がある中で、今はこれがベストだからここで働いている”という前向きなスタンスが生まれ、“常に正しい意見を言える”“自分事で物事を進められる”など、現在の業務の働き方にも良い変化をもたらすといいます。

北海道から発信する官民連携の未来

優秀な公務員がキャリアに悩み、留まり続けることは日本社会にとって大きな損失です。代表取締役の中本大和さんをはじめとする同社メンバーは、民間企業から行政への専門人材採用支援や、地方自治体の官民連携事業のサポートも行っています。

画像:カントミント株式会社

同社が登記する札幌市南区の芸術の森エリアにあるグランピング施設『芸森ワーサム』は、かつて札幌市が開発し、現在は民間の力で賑わいを生み出そうとしている場所です。バスも施設まで届いていない状況での大変なチャレンジですが、中本さんはこの取り組みを“官民共創の一つの姿”と捉え、ともに挑戦するためにこの地を選びました。

「北海道は課題先進地であり、これまでの行政のやり方では立ち行かなくなることが予想されます。官だ民だと区分けして自分のカードを1枚ずつ見せ合っているような時間はなく、フルオープンで全員一丸となって取り組む必要があります。」と中本さんは力を込めます。

ただの人材紹介ではなく、官民の信頼関係を高めるサービスとして。ご自身のキャリアを見つめ直したい公務員の方や、官民連携を模索する企業の方は、ぜひ注目してください。

詳細情報

カントミント株式会社
住所:北海道札幌市南区芸術の森3丁目915-17 芸森ワーサム

北海道Likers編集部のひとこと

北海道札幌市という地から、民間企業と行政の流動性を高める新たな挑戦が始まっています。モヤモヤを抱える公務員の方は、一度プロフェッショナルに相談してみてはいかがでしょうか。

取材・文/北海道Likers編集部 取材協力/カントミント株式会社