
未経験から競馬の仕事に!? 世界唯一のレース・ばんえい競馬を支える「ばんえい十勝」の仕事を聞いてみた
北海道帯広市で開催されている『ばんえい競馬』。体重1トン前後のばん馬たちが、重いソリを曳いてゴールを目指す、世界でオンリーワンのレースです。
そんな『ばんえい競馬』の運営を担っているのが『一般社団法人ばんえい十勝』。今回は陰ながら『ばんえい競馬』を支える人々にスポットを当て、詳しくお話を伺ってきました。競馬に関する知識や経験がなくても活躍できる環境だと言いますが、一体どのような仕事があるのでしょうか。

今回お話を伺った方
一般社団法人ばんえい十勝 事務局長 総務課 課長 藤内裕也さん
帯広市役所勤務から『一般社団法人ばんえい十勝』の立ち上げに携わる。
現在は総務課事務局長として、組織づくりや採用を担当。
帯広でしか見られない、圧巻のレースを届けるために
まずは、『ばんえい競馬』の運営を担っている『一般社団法人ばんえい十勝』について教えてください。
『ばんえい競馬』を主催している帯広市から、レースに関する実務を委託されているのが『一般社団法人ばんえい十勝』です。知見豊富なメンバーが揃っていますが、法人化してからは日が浅いこともあり、これから組織強化を目指したいところ。ぜひ新しい風を吹き込んでくれる方をお迎えしたいと考えています。
『ばんえい競馬』を支える仕事とは、具体的にどういった職種があるのでしょうか。
大まかに分けると、5つの部署があります。
まずは『馬場管理課』という、コースの整備や厩舎地区の保全などを担当する仕事。陰ながら『ばんえい競馬』の公正性を担保するポジションでもあるんです。馬が走るコースの砂をほぐしたり、凹凸を整えたりするのですが、これをやらないと、コースによって馬が走る時の環境が変わっていってしまいます。平等な条件のもとでレースをおこなうために無くてはならない仕事です。
次に『番組企画課』。出走馬の編成や重量・賞金決め、出走投票管理などを担当し、ばんえい競馬のレースの根幹を担うようなポジションですね。『ばんえい競馬』のレースの面白さを決定づける部署と言えます。
また、馬券の発売や払い戻し対応などをおこなう『投票課』という部署もあり、お金まわりを担当する重要なポジションです。
競馬ならではでいうと、『競走関連課』の仕事も特徴的です。たとえば“発走業務”は、レース開始を合図する重要な旗振り役。“走路監視”は、レース中に馬を追いかけながら、指定のコースを外れていないかなどをチェックする仕事です。普通の競馬と異なり馬ごとにコースが決まっていて、すぐ傍で馬を歩いて追いかけることができる『ばんえい競馬』ならではの業務ですね。

最後に、私も所属している『総務課』です。一般的な企業にもある部署ですが、同じように組織の運営や社内整備、採用などを手掛けています。法人化した『ばんえい十勝』の土台作りを担い、『ばんえい競馬』を支える人を支えるという、縁の下の力持ちです。
自分たちの手でレースを作り上げる感動
『ばんえい競馬』を支える仕事ならではの魅力や特徴を教えてください。
私自身『ばんえい十勝』に携わるまでは、『ばんえい競馬』どころか普通の競馬にも馴染みがなかったんです。いざ生で『ばんえい競馬』を見た時、その迫力に圧倒されて興奮しました。
『ばんえい競馬』は、観客がコースの近くで馬と並走しながら応援できるのが特徴。私はスポーツ観戦が趣味なのですが、こんな風に近い距離で声をかけながらレースを見守れるとは、なんて贅沢な体験なんだろうと思いましたね。そんな『ばんえい競馬』を裏側から支える仕事という特別感は、ポジションを問わず大きいと思います。

個人的には、何かツラいことがあった時、“ばん馬”に励まされるのも、この仕事ならではだと思います。馬たちがものすごいパワーで鉄ソリを曳いて、力強く進んでいく様を間近で見ていると、「自分も踏ん張らないと」と元気が出るんですよ。
藤内さんが『ばんえい十勝』で仕事をされてきた中で、特に印象的だった場面はありますか?
3月末に『ばんえい記念』という、1トンの重量でばんえい最強馬を決めるビッグレースがあるのですが、毎年多くのお客様が来場されてとても盛り上がります。昨年度の『ばんえい記念』は当日に雪が降っていたこともあって、私も当日の現場作業を手伝っていたのですが、レースの迫力と観客の熱気が尋常ではなかったですね。
いつも以上にレース全体に対する注目度が高いんです。お客様方も自分の馬券が当たる当たらないだけではなく、最後尾の馬がゴールするまで見守って、最後は拍手で迎えて……。それをレースを作りあげる側として見届けられた時の感動はひとしおでした。
競馬の知識や経験を問わず、未経験から飛び込める環境
そんな『ばんえい競馬』を支えるお仕事ですが、現在『ばんえい十勝』ではどのような方が活躍されているのでしょうか。また、「こんな方と一緒に働きたい」という思いがあれば教えてください。
現在の組織になる前から、長らく『ばんえい競馬』に携わってきたプロフェッショナルが多くいらっしゃるので、知識や経験の豊富な方たちが活躍されています。ただ、これからも『ばんえい競馬』を盛り上げていくためには人手不足であることは否めない状況です。

競馬に関する仕事経験がある方は稀なこともみんなよく分かっているので、今後入職される方は全くの未経験でも何ら問題はありません。いちから丁寧に育てる前提で迎え入れたいと思っています。実際に私も、初めて知ることばかりでしたから。
新しいことに主体的にチャレンジしてくれる気持ちさえあれば大丈夫ですし、長く活躍してほしいと思っています。
読者へのメッセージをお願いします。
『ばんえい競馬』を知らない方もまだまだたくさんいると思いますが、ぜひ一度、生で見ていただけたら嬉しいですね。そして、もし興味を持っていただけたら、仕事として『ばんえい競馬』という文化を支え、届ける側になってもらえたらと思います。

今後、希望者の方が気軽に職場を見学できるような機会も設けていくつもりなので、気になった方はぜひ一度お問い合わせいただければ嬉しいです。
現場のリアルな声は?
今回は、北海道Likers編集部が『一般社団法人ばんえい十勝』で働くみなさんにアンケートを実施。リアルな声をお届けします。
Q1.入社のきっかけは?

求人情報サイトでばんえい競馬を見たのがきっかけです

知人が実際に働いていたので紹介してもらいました
Q2.このお仕事の「やりがい」はなんですか?

お客さんに喜んでもらえる事!

厩舎の修理から本走路、調教馬場の整備といった、ばん馬たちがレースに万全の状態で挑める環境を整えて、無事に1日が終了したとき。
Q3.職場の雰囲気を教えてください

古き良き時代の雰囲気が残りつつ、新しい風も吹く活気のある職場です。

落ち着きながら、業務に集中できる環境です。
Q4.休日の過ごし方を教えてください

温泉巡りをしています。

子どもと遊んだり、家事をしたりしています。

編集部
今回取材を通して感じたのは、職員の皆さんがそれぞれの持ち場で強いプロ意識を持ちながらも、「ばんえい競馬という唯一無二の文化を、自分たちの手で未来へ繋いでいく」という、一つの温かいチームとしての一体感でした。
レースを編成する緻密な頭脳、天候を読んで馬場を整備する経験、そして何より、ばん馬とファンへの深い愛情。取材を通して見えたのは、多様なプロフェッショナルたちが、世界で唯一のレースを守り、育てるために真摯に仕事へ向き合うその姿に、ただただ感動しました。
取材・文/北海道Likers編集部 画像/ばんえい十勝 イラスト/いらすとや
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