ファン待望の支店をオープン!ねぎたっぷりが名物の「老舗旭川ラーメン店」【旭川市】
旭川市内中心部の歓楽街『3・6街(さんろくがい、以下、さんろく)』のど真ん中にある旭川ラーメン店といえば「一蔵(いちくら)」。長い歴史と自社工場を持つラーメン店で、旭川ラーメンを代表するお店でもあります。
札幌市や深川市にも店舗がありましたが、コロナ禍の社会情勢が続き、『さんろく』の本店はお昼の営業をお休みに。夜だけの営業となっていたところ、永山店が待望のオープン!
オーナーの前田良子(まえだりょうこ)さんにお話を聞きました。
本店は歓楽街「さんろく」。2022年待望の永山店オープン
「一蔵」は長い歴史を持ちます。2020年コロナ禍でお昼の営業を休業することになります。夜のみの営業になってしまったことから、お昼に「一蔵」のラーメンを楽しみにしていた旭川市民や観光客はとても残念に思っていたところ、2022年10月、旭川市永山に待望の直営店3店舗目がオープン。お昼から「一蔵」のラーメンを食べられることになりました。
旭川市永山にオープンした場所は、スーパーや薬局、病院、そして少しだけ離れた場所には上川支庁があり、にぎわうスポット。お昼から夜まで「一蔵 永山店」もお客さんでにぎわいます。
「昔、ラーメン村に店舗があったときに来店してくださっていたお客様もたくさん永山店に来店してくださり、ありがたいです。」と前田さんはお話しくださいました。
名物のねぎたっぷり「一蔵らーめん」をいただく
『一蔵らーめん』は、しょう油・塩・味噌の3種があり、それぞれの価格は1,000円(税込)。
たっぷりのねぎで麺や具材は見えません。けれど、食欲がそそられるのは青々とした新鮮なねぎだからでしょうか。
「北の大地をイメージした青々とした中に、チャーシュー・メンマ・玉子が隠れていて、北海道探索を連想させる見た目にも味にもこだわった一杯」メニューにはそう書かれています。
ねぎを少し寄せてみると、具材が顔を出してくれました。
ねぎの香味や甘みがたっぷりきいた、優しい味わいの『一蔵らーめん』。筆者はしょう油をいただきましたが、塩味や味噌味もいただきたくなりました。
昔ながらの優しい味わいのラーメンを思い出させる、変わらない旭川ラーメンの味わいです。
無化調のラーメン作りをきっかけに「食の多様性」を考える
写真は『オホーツクらーめん』。海の幸である帆立、にしん、そして「一蔵」の顔でもある“鮭節”を使ったラーメンです。『オホーツクらーめん』は、本店のみでいただけます。
「小さなころから厨房に入って、父のラーメン作りを見てきました。小学3年生のころは丼を洗っていた記憶があります、29歳のころ、自然と父からお店を受け継ぐ形になりました。
もともと無添加のラーメンを作りたいとは思っていたんです。自分が2代目になり、父の味を受け継ぎながら、2017年に無添加のラーメンを作りました。
「その頃、観光に来ても祖国からカップ麺を持ち寄り旅行をしていると聞き、衝撃を受けたという前田さん。普段自分たちが何気なく食べていて気付かなかったことに、とても悲しい気持ちになりました。
せっかく北海道旭川市に来てくれたのだから、良い思い出を作っていただきたい気持ちが大きくなり、様々な方が食べられるメニューを考えようと思い、対応を始めたんです。」
「中にはムスリム(イスラム教信者)の方や、台湾の方に多いにんにくや野菜類を避ける“五葷(ごくん)フリー”の方もいらっしゃいます。せっかく観光にいらしても、みんなと同じものを食べられないのは、とても寂しいものでしょう。
無添加や化学調味料を使わないラーメン、野菜のみで作っているラーメンなど、メニューを開発していく中では、父もいろいろな意見や気持ちがあったかと思いますが、今はあたたかく見守り応援してくれています」と前田さん。
一般の方ももちろんおいしく食べられますよ。ムスリム対応など知らなくてもオーダーし「おいしかった」と感想をいただけることがほとんどだとか。分け隔てることなく、おいしさを共有できるのは前田さんの想いでもあります。
誰もがおいしくラーメンを食べられるよう海外出店も視野に!
「野菜のうまみと体に優しい豆乳、海の幸を使ったどんな人でも食べられるラーメンを、世界中の人に食べてほしいと思っています。海外進出の構想も思案中なんです」と前田さんは語ってくれました。
地元民に愛される老舗ラーメン店は、世界の人々へもおいしさを届けられる日がそう遠くないかもしれませんね。
旭川ラーメンの味わいと、誰もが食べられる優しい味わいを試しに、一蔵へ足を運んでみませんか。
<店舗情報>
■一蔵 永山店
■住所:北海道旭川市永山5条19丁目1-39
■電話番号:0166-76-5807
■営業時間:11~21時
■定休日:不定休
■駐車場:あり