うどんしゃぶ・そばしゃぶ

遠方からもお客さんが押し寄せる!地元で70年愛される麺屋の「しゃぶしゃぶ」

北海道はそばの生産量日本一。うどんの原料となる小麦粉も生産されるなど、全国有数の“麺王国”です。

留寿都村の「麺しょっぷ もり」は、北海道や地元の食材を使った麺で人々の胃袋を満たしています。珍しい商品も多く、遠方からもお客さんが訪れるほどの人気ぶり。お店の歴史や商品の誕生秘話を伺いました。

約70年間にわたって村人の胃袋を満たし続ける「麺しょっぷ もり」

“ルスツ”は世界的リゾートとして有名ですが、にぎやかなエリアを離れると、ごく普通の日常が営まれています。

国道沿いにある「麺しょっぷ もり」は約70年前に創業し、そば、うどん、生パスタなどを製造・販売しています。また、学校給食専用にラーメンを作っているそうで、留寿都出身の人々は「『麺しょっぷ もり』の麺で育った」と言っても過言ではないでしょう。

店主の森進一さんは、約40年前に店を引き継ぎました。店舗の2階では今でも先代から譲り受けた使い込んだ機材が稼働しています。

森さんはシャイな性格で、テレビで取り上げられたときも一切出演しなかったそうです。 「一緒に暮らしている2匹の愛犬の写真ならOK」とのこと。

リビングに通されるとワンワンと吠えられましたが、危険な人物でないことが分かると、おとなしくなってくれました。小さな体で懸命に森さんを守っているけなげな姿に愛らしさを感じました。

森家に伝わる故郷の味「そばしゃぶ」と「うどんしゃぶ」

「麺しょっぷ もり」は、小さな製麺所ながらオリジナリティが高い商品が多く、メディアに取り上げられることも少なくありません。

直近では旅行番組で『そばしゃぶ』と『うどんしゃぶ』が紹介され、5月の連休中は多くのお客さんが押し寄せたそうです。

この商品は、森さんのご両親の出身地・岩手県北部の郷土料理です。『かっけ』と呼ばれ、南部藩の時代から伝承されてきました。森家ではよく食べられていたそうで「ほかにはない商品なので販売しました」と森さんは言います。名前の由来は「そば打ちのカケラ」や、「食べたら脚気が治る」、この地方の方言の「かぁ けえで(さあ食べてください)」など諸説あるそうです。

『そばしゃぶ』は、蘭越産の玄そば(殻のついたそばの実)を自工場で自家製粉した挽きぐるみ粉。『うどんしゃぶ』は北海道産小麦粉の『きたほなみ』を使用しています。麺帯を極薄に伸ばし、包丁で三角形に切られたもので、土鍋などに野菜や豆腐を入れてしゃぶしゃぶのようにしていただきます。

そばや小麦の香りが漂い、なめらかな食感です。『そばしゃぶ』は『うどんしゃぶ』よりも少し長めに浸した方が柔らかくなります。創意工夫でさまざまなアレンジが楽しめるので、オリジナル料理にチャレンジしてみてください。

北海道の恵みをいかした美味しさがほかにも!

大地をかみしめるような美味しさ「でんぷんうどん」

留寿都は馬鈴薯『紅丸』の発祥の地。『でんぷんうどん』は、1980年に地域振興のために始まった一村一品運動に出品するために開発されました。でんぷんを追求すると麺が切れやすくなり、小麦粉を増やすと普通のうどんになってしまうなど、苦労の末に商品化されました。

発売当初はでんぷん4割が限界でしたが、粘り気のある小麦グルテンの粉末を混ぜるなどの改良を続け、今では9割以上に増やしています。淡白ながら透明感がある麺で、弾力と爽やかな喉ごしがたまりません。暖かいつゆはもちろん、冷麺や鍋物でも美味しくいただけます。

北海道産自家製そば粉配合「生そば」

“生そば”は森さんが「一番の自信作」と胸を張る逸品です。『そばしゃぶ』同様、自家製粉した挽きぐるみ粉を使用しています。

『六割そば』は、つるつるっと滑るように流れていく喉ごしの良さ。

『八割そば』は、噛みしめるとそばの風味が口の中に広がります。迷った際は2つとも購入し、それぞれの味わいの違いを比べてみましょう。

 

「麺しょっぷ もり」の商品は、道の駅「230ルスツ」で販売しているほか、ネットショップでも購入できます。北海道産の小麦やそばの香りが漂うと、食卓は雄大な自然に早変わり。留寿都の風景を思い浮かべて味わってみてください。

<店舗情報>
麺しよっぷ もり
■住所:北海道虻田郡留寿都村字留寿都71番地
■電話番号:0136-46-3745
⇒営業時間など詳細はこちら

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