北海道らしい景色の代表格!黄金色の小麦畑から生まれる「麦稈ロール」製作風景に密着
7月中旬頃より、道内各所で黄金色に輝く小麦畑の美しい風景が見られます。大阪から移住した筆者にとっては、これこそ“北海道らしい風景”“見たかった景色”!
美しい小麦畑が刈り取られ、広い大地に大きな麦稈(ばっかん)ロールが点在する景色は北海道を代表する風景ともいえるでしょう。今回は特別に、麦の刈り取り、収穫後に麦稈ロール(いわゆる麦わらロール)を巻く様子を見学させてもらいました。
北海道は国内の小麦生産量第1位!
どうして北海道は麦稈ロールの景色が有名なのか。それは小麦の生産量が大いに関係しているでしょう。
国内では小麦、二条大麦、六条大麦、はだか麦の4種類が生産されていますが、北海道では小麦の生産がさかんです。具体的にどれくらい生産されているのか、令和2年度の農林水産省発表のデータを調べてみました。
令和2年産小麦(子実用)の都道府県別収穫量及び割合
1位 北海道 62万9,900トン(全体の66%)
2位 福岡県 5万6,900トン(全体の6%)
3位 佐賀県 3万9,100トン(全体の4%)
このように北海道の収穫量がほかの地域を圧倒的に上回っています。北海道では秋と春の2回に分けて作付けされ、それぞれ“秋蒔き小麦”“春蒔き小麦”と呼ばれることが多いようです。
秋蒔き小麦の収穫
秋蒔き小麦は例年7月中旬〜下旬頃に収穫されます。こちらが収穫前の小麦畑。ふわふわしていてじゅうたんのようですね。
収穫はコンバインという機械で行います。土から10cmほどのところで刈り取り、脱穀。もみがらと麦わらが選別され、麦わらが排出されるんだそう。
収穫してから数日間はそのままおいて乾燥。ここで収穫した小麦の粒は、製粉会社で小麦粉に加工されます。排出された麦わらは麦稈ロールの材料、もしくはそのまま細かくして土に混ぜます。
「麦稈ロール」はどのようにして作られるの?
“麦稈ロール”とは麦わらロールのこと。収穫後、乾燥させた麦わらをロール状に巻いたものです。収穫後の小麦畑はこんな状態。
麦わらが積み上げられた部分と刈った後の部分が縞模様になっているのがわかると思います。
この麦わらが積み上げられた上を“ベーラー”という機械が走り、圧縮してシート状にした麦わらをロール状に巻いていきます。
そして、後ろの部分がパカッと開き、麦稈ロールが出てくるという仕組みです。
麦稈ロール1つの重さはなんと300kgほど!
作られた麦稈ロールはトラックに積み込まれ、運ばれていきます。この麦稈は牧場で“敷きわら”として主に使われるとのこと。
わずかな期間しか見ることのできない黄金色に輝く小麦畑、そして麦稈ロールが並べられた風景はまさに北海道を象徴する美しい景色でした。
※今回は特別に畑の敷地内で撮影をさせていただきました。農業者の許可なく畑などに立ち入らないでください。
【参考】令和2年産4麦の収穫量 / 農林水産省