
記録的な大雪で生まれた“粋”な計らい。AOAO SAPPOROが空港利用者を「無料招待」した理由【札幌市】
2026年1月、記録的な大雪に見舞われた札幌市。交通網が麻痺し、多くの旅行者が足止めを余儀なくされるなか、札幌の都市型水族館『AOAO SAPPORO』が、新千歳空港・丘珠空港の航空券を持つ方を対象とした“無料招待”を実施し、SNSを中心に大きな話題となりました。
この決断の裏側には、どのような想いがあったのか。『AOAO SAPPORO』のスタッフの皆さんの熱い想いを聞いてみました。
吹雪のなかの決断。きっかけは「リアルタイムの困りごと」
なぜ今回、空港利用者を対象とした無料招待を決めたのでしょうか?
当時は記録的な大雪で、空港やJR北海道の方々、帰宅困難者に毛布を配布されていた地下歩行空間の関係者など、多くの方が北海道にいらした方々のために行動されていました。私たちも「なにかできないか」と考えたのが始まりです。

画像:AOAO SAPPORO公式X(@aoao_sapporo)
新千歳空港や丘珠空港を利用された方は、おそらく札幌に寄る予定があったはず。せっかく北海道に来てくださった観光客の皆さまに、『AOAO SAPPORO』でゆっくり過ごしていただき、非日常の癒やしや楽しい体験を持ち帰っていただきたいという想いで実施しました。
無料招待を判断するまでには、どのようなエピソードがありましたか?
発案は、館長および水族館のスタッフです。当日、実は弊館の関係者にも空港で足止めになった者がおり、現場の困っている状況をリアルタイムで聞いていました。
「誰もが楽しめる水族館だからこそ、奪われてしまった時間の一部を楽しい時間として取り戻せるはずだ」と信じ、朝一番のギリギリのタイミングで招待を決定しました。
6日間で1,596名が来場。SNSで広がった「粋」という言葉
実際の反響はいかがでしたか?
2026年1月26日(月)から31日(土)までの6日間で、合計1,596名のお客様にお越しいただきました 。初日の26日だけでも、国内外から約250名の方にご来館いただけました。
SNSでも地元の方をはじめ、多くのファンの方々が「粋だ」と好意的に反応してくださり、周囲の方へ勧めていただけたのも印象的でした。お客様からは「大変な思いもしたが、心温まる企画のおかげでいい思い出になった」といったお声をいただき、北海道の冬の思い出づくりに少しでも貢献できたのなら嬉しいです 。
現場のスタッフの皆さんの反応はいかがでしたか?
急な決定ではありましたが、大変な思いをされたお客様のお手伝いができたことを、皆で喜んでいます。実際にお越しいただいたお客様の中には、お帰りの際にわざわざお礼を伝えてくださる方もいらっしゃいました。
私たちの想いが伝わったことを実感し、スタッフ一同、胸が熱くなりました。
ペンギンの名前は「北海道の地名」。深すぎる北海道愛
これから『AOAO SAPPORO』を訪れる方に向けて、楽しみ方を教えてください。
観光の方には、生物をじっくり観察できる展示や、22時まで営業している『夜の水族館』が人気です。一方、地元にお住まいの方には、コワーキングルームやベビールームなどもあるため、多様な用途で普段使いしていただけます。

画像:AOAO SAPPORO
商業施設『moyuk SAPPORO』の中にあり、座ってゆっくりできるスペースも多いので、買い物の寄り道など自由なスタイルでお楽しみください。
最後に、北海道Likersの読者へメッセージをお願いします。
私たちは、ペンギンを通じて北海道に想いを馳せていただけるよう、飼育しているキタイワトビペンギン1羽1羽に、北海道の地名を愛称として付けています。また、館内カフェでは北海道産小麦のクロワッサンを提供したり、昨年からは標茶町の天然記念物・キタサンショウウオの保全活動にも協力しています。

注目は、新たな看板商品となる「あおあおクロワッサン」(写真中央)
画像:AOAO SAPPORO
これからも道内外の方へ、生物の魅力を通じて北海道の素晴らしさを伝える活動を続けてまいります。ぜひ、お気に入りの名前のペンギンを探しに来てください。ゆっくりできるスペースも多いので 、お買い物の寄り道や観光の締めなど、ぜひ自由に楽しんでください。
スポット情報詳細
AOAO SAPPORO(アオアオ サッポロ)
住所:北海道札幌市中央区南2条西3丁目20番地 moyuk SAPPORO 4階
アクセス:地下鉄「大通駅」徒歩3分/市電「狸小路停留場」徒歩1分
営業時間:10:00〜22:00(最終入館21:00)
休館日:年中無休(変更の場合あり)
北海道Likers編集部のひとこと
厳しい寒さと雪のなかで届けられた今回のニュース。スタッフの皆さんが語る「奪われてしまった時間の一部を、楽しい時間として取り戻してほしい」という言葉に、北海道らしい温かさを感じました。
『AOAO SAPPORO』が掲げる“粋”な計らいは、単なる無料招待という形を超えて、訪れた人々の心に「札幌に来てよかった」という確かな記憶を刻んだはず。地名を冠したペンギンたちや、地元の素材を活かした食、そして希少な生物の保全活動……。これからの『AOAO SAPPORO』にも目が離せません!
取材・文/北海道Likers編集部 取材協力・画像提供/AOAO SAPPORO




