個性的なパンと一期一会の出会いを!移住した夫妻が営む「めんこいベーカリー」(札幌市北区)
札幌市北区篠路の街角に、アンティークな雰囲気のパン屋さんがあります。ショーケースに並べられた商品は、四角いクリームパンや、丸い食パンなど、ほかのお店では見かけないものばかり。
JR学園都市線・篠路駅からも近く、近所はもちろん遠方からもお客さんが訪れています。美味しさと笑顔を届ける「桜楓堂(おうふうどう)」にお邪魔しました。
宇都宮市から移住した夫妻が営む「桜楓堂」
「桜楓堂」を切り盛りする林さん夫妻は、2012年に栃木県宇都宮市から札幌に移住しました。宇都宮では、ご主人の智哉さんが建築事務所を経営し、妻の尚子さんはパン屋さんで働くなど平穏な日々を過ごしていたそう。
しかし2011年3月に発生した東日本大震災によって人生の転機を迎えました。
東日本大震災では東北地方の被害がクローズアップされていますが、近隣の栃木、茨城、千葉も被災しました。林さん夫妻は考え抜いた末に、智哉さんの出身地である札幌に転居することを決意。「のびのびと子育てしたい」と、篠路に移り住みました。
ぬくもり感じるパン屋をオープン
札幌では、智哉さんが建築事務所を再開し、尚子さんはこれまでのノウハウを活かして2013年5月にパン屋さんを開店しました。店名は2人のお子さんの名前から1字ずつ取って「桜楓堂」と名付けました。
最初は別の場所で店を開いていましたが、2018年に現在の場所に移転。廃材などを使ってリノベーションすることで、アンティーク調の店が完成しました。
店内には、学習塾を経営する友人から譲り受けたという生徒用机や黒板などが置かれ、地域のコミュニティースペースになっています。この日の開店前は、知人による英会話スクールが開かれていました。
おすすめ6つをご紹介!
お二人のあたたかい雰囲気に誘われるように、絶え間なくお客さんが訪れています。
尚子さんのパンに使われるのは、おもに食パンの生地。フレンチとの組み合わせや、山菜などの季節を感じる素材、近くのラーメン店とコラボしたチャーシューを使ったパンなど、オリジナリティあふれるパンを作り出しています。その中からおすすめの6つを選んでもらいました。
四角い「クリームパン&チョコパン」
四角い『クリームパン』。“クリームパンは丸い”という常識を覆す一品です。
弾力がある外側と、とろけるようなクリームの組み合わせは、これまで食べたことがない食感。“シアワセの延べ棒”と呼びたくなるような美味しさで、誰もが笑顔になれそう。
姉妹品の『チョコパン』は大理石のような模様が美しく、食パン生地との相性もばっちり。どちらを買おうか迷ったときは、両方買うことをおすすめします。
丸食パン「プレーンパン&メロンパン」
丸食パンは、熱湯で溶いた小麦粉をパン生地に用いる“湯種”という製法で作られています。北海道産小麦のもっちり感とやわらかさがアップし、食感や歯切れが最高です。
『プレーン』のほかに、『メロンパン』、『ピーナッツ』、『チョコ』などさまざまな種類があるので、お店に足を運ぶのが楽しくなります。
スイーツ感覚な「シナモンロール」
『シナモンロール』はまるでケーキのようなデニッシュ生地に、ラムレーズンのクリームが挟まっています。クリームチーズベースで、トースターで温めるとサクサク感が増して美味しくいただけます。
ワイルドなテイスト「エゾシカのミートソースのホットサンド」
北海道らしさが感じられる『エゾシカのミートソースのホットサンド』。智哉さんの友人でエゾシカ料理マイスターの青山則靖さんが、自ら仕留めたエゾシカを使ってミートソースを作っています。フランスでは鹿肉は秋から冬にかけてのジビエの季節に食べる食材として知られ、パンとの相性もピッタリ。ワイルドで力強い美味しさに魅了されました。
「桜楓堂」では、平均30種類のパンを販売しています。定番商品だけでなく、季節限定・その日限りなど、レアな商品も登場します。定番商品であっても尚子さんの気まぐれで、作り方を変えることもあるそうです。
美味しいパンとの出会いは一期一会。ユニークなパンを食べたい方は、ぜひ足を運んでみてください。
<店舗情報>
■桜楓堂(おうふうどう)
■住所:北海道札幌市北区篠路3条6丁目1-11
■電話番号:011-558-4623
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