上水道

雪解け水で生活できる!? ほかの町とは全く違う「上水道の無い町」の水事情

2021.05.13

ある日、ふとこんな話を耳にしました。「上水道が無い町が北海道にあるらしい」と。

……はて、上水道が無い? そんなことがあるのでしょうか。あったとして、では飲み水やそのほかさまざまなことに使う水はどうするのでしょうか?

今回はそんな“上水道が無い町”の水事情について調べてみました。

「上水道が無い町」東川町

さて、どうやら上水道が無いのは東川町。そして東川町に上水道が無い理由は“雪解け水”にあるらしいです。

ここで東川町について少し解説を入れると、東川町は北海道のほぼ中央にあって“大雪山”という山の麓に位置する町。

大雪山に蓄えられた雪解け水が、長い年月をかけて地中深くに染み込み、これが東川町へ運ばれてくる、というのが東川町に上水道が無い理由、だそうです。

流れてきた地下水は、東川町で暮らす人々が家庭用ホームポンプでくみ上げ、細菌処理などを一切せず(※例外あり)、“生水のまま”飲用され、生活用水として使用されています。

ちなみに完全無料、というわけではなく、地下水の保全対策費等は徴収しているそうです。

「地下水が全て」というわけではない

しかし、地下水というのは自然のものですから、なかには良好な地下水を得られない場所もあります。

そういう場所のために、『飲料水供給施設』や『専用水道』があり、飲料に適した水を供給する水道を町が整備して、飲料水を供給しています。使用量は無料ですが、諸々の経費等は徴収されているそうです。

ちなみに、『飲料水供給施設』とは、給水人口が50人以上100人以下の給水人口に対し、飲用水を供給する施設のこと。

『専用水道』は、寄宿舎、社宅、療養所等における水道以外の水道で、“100人を越える者に必要な水を供給する“か、“飲用での給水量が1日最大20立法メートルを超える“のどちらかに該当するもののことです。

大雪旭岳源水

ところで、東川町から湧き出る地下水の中でも、『大雪旭岳源水』と呼ばれる水があります。これは東川町のなかでも最上級の水で、平成20年には環境省が選定する『平成の名水百選』に選ばれています。

この『大雪旭岳源水』は、ミネラルが豊富にバランスよく含まれ、またマグネシウムの含有比率が、理想である2:1に近い水だそうですよ。ちなみにこの『大雪旭岳源水』、東川の道の駅やインターネットショップで購入することができます。興味がある方はぜひ。

 

今回は“上水道のない町”東川町について紹介しました。自然って偉大ですね。

今後東川町に住みたい!という方は、より詳しいことを調べるか、下記の【参考】のリンクより飛んで資料等をご覧ください。

【参考】水の豊かな町 北海道上川郡東川町 / 東川町の地下水 / 上水道のない町、東川町 平成の名水百選「大雪旭岳源水」 / 平成の名水百選「大雪旭岳源水」ご購入はこちら

【画像】mits、camica、barman / PIXTA(ピクスタ)