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標高1,000m、電気が通らない山奥に佇む「100%源泉かけ流しの秘湯」【北海道上川町】

「北海道の屋根」といわれる大雪山。アイヌの人たちは、その美しい景観を「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」と畏敬の念を込めて呼んでいたといいます。大雪山を中心に総面積約226,764ヘクタールと、日本一広い面積を誇る国立公園が「大雪山国立公園」です。

この「大雪山国立公園」の中に、ひっそりと佇む秘湯『大雪山愛山渓温泉(以下、愛山渓温泉)』があります。

国道から20km・標高1,000mに位置する知る人ぞ知る秘湯「大雪山愛山渓温泉」

『愛山渓温泉』があるのは、国道39号線(大雪国道)から道道223号線愛山渓上川線を約20km走った、標高1,000mの大雪山の中腹です。

道道223号線愛山渓谷上川線は冬期間通行止めとなるため、『愛山渓温泉』が営業しているのは5月中旬から10月中旬までの5か月間だけ。まさに知る人ぞ知る、秘湯中の秘湯です。

永山岳(標高2,046m)・安足間岳(標高2,200m)・愛別岳(標高2,113m)・比布岳(標高2,197m)へと続く登山口にあり、大雪山の山々を楽しんだ人たちが下山後に汗や疲れを流す温泉として人気です。

暖炉やピアノが置かれた昭和レトロな雰囲気の休憩スペース

『愛山渓温泉』がある『スパ&エコロッジ愛山渓倶楽部』は、自炊専用の宿。包丁やまな板などの調理器具や、カセットコンロ、電子レンジが用意されており、食材を持ち込めば料理ができます。

食堂の窓からは、間近に永山岳の姿を見ることができます。

取材に伺ったのは2022年9月9日でしたが、永山岳の山頂付近は紅葉が始まっていました。9月のシルバーウィークには『愛山渓温泉』周辺も紅葉に彩られるそうです。

休憩スペースには暖炉があり、古いピアノも置かれています。

『愛山渓温泉』の開湯は1926(大正15)年。現在の建物は、1980(昭和55)年に『上川町営愛山渓青少年の家』として建てられたもので、歴史を感じさせる落ち着いた雰囲気です。

泉質のよい源泉かけ流し100%

『愛山渓温泉』は、加水や加温をしていない100%源泉かけ流しの温泉です。

源泉の温度は44.2℃。浴槽は40℃ほどとちょうどいい湯加減で、まさに自然のままの温泉です。

男女それぞれ内湯の浴槽がひとつずつと小さな温泉ですが、湯量が豊富で惜しげもなく温泉が流れ出しています。

泉質は、ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉(低張性中性高温泉)で、神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・疲労回復などに効能があるのだとか。登山やドライブの疲れを癒すのにぴったりです。

川の水で自家発電!エコな温泉宿

国道から約20kmも離れているため、電気が供給されていない『スパ&エコロッジ愛山渓倶楽部』。電力は、近くの川の水を利用した自家発電でまかなっています。なんともエコな温泉宿ですよね。

館内の水も沢の水を消毒したもの。休憩スペースでは冷やされた天然水が無料で飲めます。お風呂上がりに飲むお水のおいしいことといったら……!

 

山の中にひっそりと佇む秘湯『愛山渓温泉』は、10月中旬から雪が融ける春まで、長い期間お休みになります。気になる方は、急いで行ってみてくださいね。

<施設情報>
■大雪山愛山渓温泉 スパ&エコロッジ愛山渓倶楽部
■所在地:北海道上川郡上川町字愛山渓
■電話:01658-9-4525
⇒営業時間など詳細はこちら

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