上野ファーム

本当は誰にも教えたくない…「上野ファーム」で過ごす極上のひとり時間【北海道旭川市】

2022.07.14

ときにはひとりでゆっくり過ごし、自分の心を整理したり、ただぼんやりと景色を眺めて過ごすのはいかがでしょうか。

北海道には絶景スポットが多くありますが、四季の移り変わりとともに景色が変化するドラマチックなガーデンもそのひとつ。ひとり時間を思いきり堪能できるアウトドアシーンで、ガーデニングチェアに座り季節を感じてみませんか。

旭川市にある「上野ファーム」は、ゆったりとしたひとり時間が叶う人気のスポット。オーナーガーデナーの上野さんにお話を伺いながら、ガーデン内をお散歩してきたのでレビューしましょう。

米農家からスタートし、家族みんなで手作りした「マザーズガーデン」は…

今回お話を聞いたのは、「上野ファーム」のオーナーガーデナーの上野砂由紀(うえのさゆき)さんです。

上野さんのご実家は、元々は米農家。お米のほかにもさまざまな野菜の栽培や酪農もしていたといいます。

1983年ごろにはお米の販売方法が変わり、上野さんのご実家で直接お米を販売できるように。せっかくお客様がくるのだから、花を植えてきれいにしよう!お客さんに楽しんでもらおう!そう思い立ち庭づくりをスタートしたのは、上野さんのお母さんだったそうです。

「母はイングリッシュガーデンに憧れていました。そんな風に庭づくりもできたらいいねと、農作業の合間をぬって作りはじめたんです」

それが今も「上野ファーム」の中にある『マザーズガーデン』。形にとらわれず植えられた花々は、とても生き生きとしていて親しみを感じます。

1997年ころからアパレル関係の仕事に就いて札幌で暮らしていた上野さんは、2000年、勉強のためにガーデニングの本場であるイギリスへ。これまで本や写真集で見ていたガーデンは実際に見てみると、奥深くとても驚いたといいます。

そして帰国後、上野さんもご実家で庭づくりをスタート。左右対称に同じ花々が植えられる『ミラーボーダー』や、グラデーションになった花々が美しい『パープルウォーク』、その先に丸い形が4つある『サークルボーダー』……。これらはすべてイギリスで研修したイングリッシュガーデンの知識を活かして、上野さんがデザインしました。

こうして心が込められた素敵な景色が家族総出で作られていったのです。

道外の人の声で気づいた、北海道のすばらしさ

「道外からお越しになったお客様が、“北海道は堤防や田んぼのそばなど、自然にルピナスが咲いているんですね。道外では見ない風景です”とお話くださったんです。それを聞いたとき、なるほどな、と。北海道ならではの花、自然の美しさ、北海道の気候や風土で育つ美しい花々を植えたガーデンを作っていこうと思ったんです。道外の方が、北海道の美しさを教えてくれたのですよね。白樺やその周辺にチューリップが咲く風景は、北海道ならではの景色。白樺に憧れる道外の方も多いんです」

上野さんは道外の観光客の声をきっかけに、イングリッシュガーデンから少しずつ北海道の気候や風土に合う植物を探しはじめます。海外や全国いろいろなところから取り寄せたり種から育てたりして、何度も失敗しながら、北国に合うものを見つけ出してきました。

北海道の野草も取り入れました。北海道の野草はとても強く北国に合い、山野草として販売しているものが多いからです。それとあわせて、園芸種でも寒さに強いものを探して増やしていきました。

「北海道ガーデン」と名付け、道内を結ぶ「北海道ガーデン街道」へ

北海道の気候や風土に合った植物を探し、少しずつ雰囲気を変えていった上野さん。そんな庭々を「北海道ガーデン」と名付け、北国ならではの植物を季節によって楽しめるガーデンを作りました。

そんな素敵なお庭づくりは、テレビドラマの脚本家である倉本聰(くらもとそう)さんの目に留まり、ドラマ撮影用のガーデン作りの依頼を受け、上野さんが担当。そのドラマが『風のガーデン』です。富良野市「新富良野プリンスホテル」の敷地内にある『風のガーデン』は、テレビドラマの人気とともに訪れる人も増え、富良野市内の人気観光スポットとなりました。

「上野ファーム」のような北海道の気候や風土、周辺の自然環境や景観を大切にしている「北海道ガーデン」は、道北から十勝を中心に現在8つ存在しています。「北海道ガーデン街道」として250kmの距離を結び、「上野ファーム」も観光地として大変人気のスポットとなりました。

ひとり時間をゆっくり楽しむ。園内にはガーデンチェアがいっぱい

「上野ファーム」には、さまざまな場所にガーデンチェアがあります。

ガーデン内にある射的山の頂上には虹色のチェアが並んでいます。旭川市内と当麻町の境目にある「上野ファーム」は、両方の田園風景が一望できる絶景スポットです。

子どものころにかえって、ブランコをこいでみませんか。まるで空に届きそう! 見ているだけでため息が出る景色です。

こんなところにもチェアがありました。ひとりで来園しゆっくりとくつろいだり、仕事をしたりと、来場者はさまざまな過ごし方をしているそうです。

クッションが置かれたふわふわのソファも。素敵なお花を見ながらお昼寝したくなりますね。

どの景色を切り取っても、全ての場所がフォトスポットに。楽しみ方はさまざまです。

どんなに多くのお客さんが来場し混雑していても、広いガーデンの中にいると騒々しさを感じないと、きっと気づくはず。入園するときにいただくガーデン内の地図を片手に、ゆっくりと巡ってみてはいかがでしょうか。

ちょっと疲れたらオープンカフェへ

ガーデン内にはカフェや売店がありました。カフェはお米の格納庫、売店は牛小屋だったそうです。

カフェの中は天井が高く、開放的。ドアや窓をオープンにしているので、外の景色やお花畑がよく見えました。

売店ではガーデニンググッズや、花苗・寄せ植えが販売されています。

カフェのテラス席で、地元の牧場の牛乳を使った人気のソフトクリームをいただきました。とても暑い日だったのですが、風が通り抜け、とっても気持ちいい! ガーデンを見ながらいつまでも滞在したくなりました。

上野さんはガーデンのデザインをしていますが、ガーデンデザイナーとは名乗らないといいます。「“ガーデンデザイナー”と名乗ってしまうと、ガーデンの形をつくるデザインだけの仕事に偏ってしまう気がしていて。植物そのものが好きなので、土と植物を触り育てながら学び続ける“ガーデナー”であり続けたいです」

上野さんとご家族の手作りガーデンからスタートした「上野ファーム」ですが、まるでお花の咲いている野原を散歩しているような自然の雰囲気がただよいます。気負いなくリラックスできるガーデンは、上野さんの優しい雰囲気そのものでした。

 

本当は誰にも教えたくない素敵な場所。けれど多くの人に知っていただきたい旭川の素敵なスポットです。ひとりになりたいとき、リラックスしたいとき、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

<スポット情報>
■上野ファーム
■住所:北海道旭川市永山町16丁目186番地
■電話番号:0166-47-8741
■営業時間:10〜17時
■ガーデン公開期間:2022年度 4月22日〜10月16日
⇒ホームページなど詳細はこちら

【画像】上野ファーム

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