株式会社三五工務店・田中裕基。「素材を活かす」道産木材と共存する家づくり

2021.10.29

札幌に拠点をおき、V2リーグに所属する男子バレーボールチーム『Safilva(サフィルヴァ)北海道』。同チームを支援する企業の一つに、株式会社三五工務店があります。

木造建築を扱う株式会社三五工務店は、「いごこちのいい暮らしをつくる幸夢店」をスローガンに、家づくりの先にある暮らしづくりを目指しています。

こだわりは積極的に道産木材を使うこと。「実際に森に行って木の状態を見なければ、いい家をつくることはできない」との言葉にうかがえるように、代表の田中裕基さんはアグレッシブな方。今回は田中さんに、仕事や『Safilva北海道』への想いをうかがいました。

田中裕基(たなか・ひろき)。株式会社三五工務店代表取締役。1982年生まれ、札幌市出身。大学卒業後は飲食業に従事し、27歳のとき株式会社三五工務店に入社。令和2年に代表取締役に就任。現在は35GROUPのCEOとして三五工務店での事業を展開しつつ、グループ会社の35designでは飲食事業も手掛けている。

「やりたいこと」と「やらなければならないこと」の両立

今回の取材はオンラインで行いました

北海道Likersライターyukko:株式会社三五工務店はどういった事業を展開されているのでしょうか。

田中さん:弊社は、道産木材を積極的に使った木造住宅や商業施設を建築・施工している創業64年の工務店です。そのほかに店舗内装・デザインを手がけるグループ会社にて飲食事業の運営も行っており、家づくりの先にある暮らしづくりをしています。

北海道Likersライターyukko:飲食店もされているのですね。

田中さん:『35stock(35ストック)』という雑炊店と、おにぎりがメインの『あめつちby35stock』、あとは移動販売のプリン専門店を展開しています。

北海道Likersライターyukko:三五工務店という社名の由来を教えていただけますか。

田中さん:もともと北35条にあったので、その地名にちなんでいます。社名が地区名からきているように、地域に根ざした会社にしたいと思っています。

北海道Likersライターyukko:そんな三五工務店を、田中さんが経営することになったきっかけを教えてください。

田中さん:僕は三五工務店の3代目社長です。もともとは家業を継ぐ気持ちはなく、大学卒業後は飲食業をしていました。父の姿を見ていたからこそ、自分は違う分野で成功して、父と同じ土俵で勝負したいと思っていました。

当時27歳の田中さんが出席された株式会社三五工務店入社式の様子(提供:株式会社三五工務店)

北海道Likersライターyukko:どういう経緯で家業を継ぐことになったのですか?

田中さん:27歳のときに父が「1年間だけ建築業をやってみろ。それで嫌だったらもう辞めていい。お前は先祖代々建築で食ってきているのだから、やったこともないのに向いていないと思うな」と言われたのがきっかけですね。

僕はやると決めたら何でも楽しめるタイプで、「建築業も面白いな」と思いはじめました。この会社を継ぐことは僕にしかできないし、“やりたいこと”と“やらなきゃいけないこと”を両立して、“できること”を増やしていく生き方はかっこいいと思う中で、考え方が変わりましたね。今は自分の会社の理念を軸にしつつ、やりたいことにもチャレンジしています。

森とお客さまの架け橋になる

北海道Likersライターyukko:家を建てるにあたってこだわりはありますか?

田中さん:“木・鉄・石”の自然界にある素材を活かして家を建てるのがこだわりです。木材に関しては、できるかぎり無垢のものを使うようにしています。

例えばデニムであれば、使い続けていくとそれだけ味が出てきますよね。私たちはただ古くなるのではなく、時間とともに味わい深くなり愛着が湧く……経年変化を楽しめる、そんな家づくりを心掛けて素材選びをしています。

株式会社三五工務店が手掛けた木造住宅(提供:株式会社三五工務店)

北海道Likersライターyukko:素材を活かすという考え方ですね。

田中さん:弊社は道産素材にこだわる“道産木材宣言”を掲げています。僕の経営方針は“三五工務店がより繁栄することで、地域も繁栄させる”というものです。

外国の材料を使えば低価格で木材を手に入れることができます。しかし長期的に見て、僕は正しい選択だとは思いません。道産木材が多少価格が高くても北海道のものを使用して、地域に雇用を生み出して、道産木材が建物として生きて残ることを大切にしています。木にも寿命があるのですが、40~50年で製材してあげて、それからは建物として50~100年生きていってもらえたら……という考え方を軸にしています。

北海道Likersライターyukko:実際に森に行って木を見ることはありますか?

田中さん:一昨日も行ってきましたよ。直接木こりさんと話をして、木がどういう状態でどう仕入れられるか把握します。飲食店であれば、料理人が野菜のことや農家のことを知らなくて、いい料理を作れるはずがないと思っています。私は森とお客さまとの架け橋になって家づくりをしているので、定期的に森は見に行くようにしています。

森の中で佇まれる田中さん(提供:株式会社三五工務店)

北海道Likersライターyukko:コロナ禍によるウッドショックで建築業界は大変とも聞きました。

田中さん:コロナ禍で道産木材の価格が上昇しているので、影響は受けています。しかし弊社は仕入れ先と信頼関係が構築されているので、材料の確保はできています。価格が上がってしまったぶんについては、お客さまに背景を伝えたうえで原価だけ上乗せしている状況です。

北海道Likersライターyukko:そんな御社の強みを教えてください。

田中さん:人と築き上げてきた歴史とブランド力、そしてスタッフですね。木造の工務店としては、弊社のブランド力は北海道でも上位に入っています。目標は北海道一の木造建築の工務店になることですね。すべてのスタッフが同じ想いでしょう。

弊社のスタッフは真面目で素直な人が多いです。お客さまが喜んでいる姿を見たスタッフが一緒に感動している場面に立ち会えたとき、「三五工務店の社長で本当によかった」と思います。

北海道Likersライターyukko:ブランドといえば、御社の社名入りミネラルウォーターがあるようですね。

田中さん:『KIMUN KAMUY WATER(キムン カムイ ウォーター)』というドネーションつきウォーターですね。売り上げの一部を森の保全活動に使用しています。キムンカムイは「山の神」という意味で、この水を手に取ってもらい、「こんな会社がある」と一人歩きして、広がってくれたらいいなと思ってつくった水です。

「Safilva北海道」と共に成長したい

北海道Likersライターyukko:現在、札幌を拠点とする男子バレーボールチーム『Safilva北海道』を支援されています。そのきっかけを教えてください。

田中さん:僕が経営するカフェで「田中さんに紹介したい面白い人がいる」と言われて初めて会ったのが、株式会社スポーツネーションの三木智弘さんと高橋健太さんでした。会うまではバレーボールチームの話は聞いてなかったんですよ(笑)

北海道Likersライターyukko:そんな出会いからはじまり、今は『Safilva北海道』をどのような気持ちで支援されていますか?

田中さん:『Safilva北海道』には、札幌そして北海道の成長に一役買ってほしいですね。支援するというよりも、共に成長し、共に北海道を盛り上げていきたいと思っています。

――――私たちの暮らす北海道で生まれた木が、住宅の木材としてよみがえり、人と共に生き続ける。改めて木のあり方を知りました。筆者は温もり溢れる素敵な家を想像しながら、田中さんのお話を聞いていました。

そんな田中さん率いる株式会社三五工務店、そして『Safilva北海道』の今後に、ますます期待が膨らみます。

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※入社式の画像、建築物の画像、森の画像(提供:株式会社三五工務店)